美容大国ブラジルで施術体験=リップアートメイクに挑戦=(下)=佐渡で出会った日系夫妻

施術前の唇の写真を比較用に撮影し、初めに輪郭を書き、いよいよ鍼を使って色を入れていく。電動鍼の音がちょっと気になるが、ヨナさんが「口角のところが一番痛いです」などと話しかけてくれるので、心構えができ、必要以上に不安にならずに済んだ。1時間半ぐらいで施術が終了。痛くなかったか、と言えばうそになるが、思ったほどではなかった。
後から撮影した動画を見てみたが、言ってみれば「唇の絵を超写実的に描く」のと一緒なわけで、これはある意味芸術で、技術とセンスと根気が必要な施術だなと思った。私は自分の唇の形をそのまま生かしてもらったが、輪郭をはっきりさせたり、左右対称になるよう描きたす場合もあるらしい。ヨナさんの技術は、そういう意味ではすばらしく、施術数も多いので安心して任せられてよかったな、と改めて思った。
施術の後は少し唇が腫れると聞いていたので、どんなたらこ口になってしまうか心配だったが、厚めにグロスを塗った感じだった。乾燥しないよう、リップクリームを頻繁に塗ること、コーヒーやワインなど、濃い色の飲み物や酸性のものをしばらくは飲まないこと、など注意点を聞いた後、お二人に話を聞いてみた。
二人はともにブラジル生まれだが、家族で一緒に日本で働いているときに、佐渡で出会ったそうだ。ヨナさんは、日系の父とイタリア系の母を持ち、14歳で日本へ。アンデルソンさんは日系の両親を持ち、15歳で日本へ。日本語を勉強した後日本の学校に行き、指圧とマッサージの勉強をした。ヨナさんは、まつ毛エクステンションの勉強を並行して始め、ブラジルに帰国後は、ヨナさんは美容系に進み、アンデルソンさんはマッサージの仕事を始めたそうだ。
初めは別々のところで仕事をしていたが、ヨナさんは2014年にクリニックを今の建物の1階にオープンし、昨年の7月に14階の現在の広いスペースへ引っ越し、アンデルソンさんと一緒に仕事をするようになったそうだ。
現在こちらのクリニックでは、ヨナさんのリップカラー、まつ毛エクステンション、眉毛アートカラー、アンデルソンさんの指圧のほか、別の施術者によるストレッチマークトリートメント、フェイシャルトリートメント、温石マッサージなどのメニューも提供している。シンプルでかっこいい感じの内装だが、お二人の人柄でリラックスして施術を受けられる。「日本語しか話せない人も結構いらっしゃいます」という通り、日本語も通じるので、ブラジルでも安心して通えるクリニックだ。
予約時に「ブラジル日報を見た」と言えば、5%割引してくれるそうなので、記者のように美容大国ブラジルで美容施術を受けたい人は、選択肢にいれてみてはいかがだろう。
Yoná Hamada Clínica 予約、問い合わせはインスタグラムのプロフィール情報(www.instagram.com/yonahamada/)から。(終り、公)