site.title

新宿日本語学校=「父の想いと繋がり受け継ぎたい」=江副カネル隆二理事長ら来伯

2025年8月30日

新宿日本語学校「父の想いと繋がり受け継ぎたい」江副カネル隆二理事長ら来伯
江副理事長と惣万副校長(左から)

 江副学園新宿日本語学校の江副カネル隆二理事長と惣万奈美子副校長が、31日に行われるブラジル日本語センター40周年式典に出席するため来伯した。29日に編集部を訪れ、ブラジル日本語教育とのつながりや今後の展望について語った。

 新宿日本語学校は1975年に隆二氏の祖父母と父の故江副隆秀氏によって創設された。創設当初は生徒数数人程度の小規模学校(東京西新宿在所)だったが、現在は新宿区高田馬場キャンパスを拠点に外国人生徒数700人以上を抱える。同校は外国人向け日本語教育分野の草分けとして知られ、近年はフランス・パリ校をはじめ、海外展開にも力を入れている。

 前理事長の隆秀氏は、助詞の使用順列規則の明示化や助詞の効用の図形化を用いて日本語を教える「江副式教授法」を考案するなど日本語教師として著名で、一般社団法人・全日本学校法人日本語教育協議会の代表理事なども務めた。1987年にブラジルで行われた「第1回中南米日本語教師合同研修会」への参加を機に、ブラジル日本語教育界との繋がりを強くし、晩年まで協力を続けた。

 現理事長の隆二氏は東京都生まれの41歳。江副家5人兄妹の次男で、フランス人の母のもとニューカレドニアで育った。日、仏、英語に通じ、長じてはサウンドエンジニアとなり、24歳の時に日本の大手音楽スタジオで働くため生活の拠点を日本に移した。音楽スタジオ退職を機に新宿日本語学校に務め、マーケティング事業などを担当するようになった。

 ブラジルには07年に個人旅行で1度と、17年に父・隆秀氏のブラジル日本語センター主催「全伯日本語教師合同研修会」への講師参加随伴で訪れたことがある。「合同研修会ではブラジルの日系社会の大きさを強く感じ、とても驚いたことを覚えています」と振り返る。

 父が2024年末に亡くなり、25年初めに隆二氏が理事長に就任した。隆二氏は「父はブラジルとの繋がりをとても大事にし、24年にもブラジルで講演会を行う予定がありました。サンパウロに学校を開きたいとの夢も語っていました。父の想いやブラジルとの繋がりをしっかりと受け継ぎたい」と語る。

 隆二氏らは29日に来伯し、31日の式典の夜に帰国する。多忙を押し、過密な旅程でも来伯を実現させた隆二氏の行動は、父の想いを引き継ぐ意思の強さの現れだ。

関連コラム サビアの独り言

 江副学園新宿日本語学校は今年で開校50周年を迎えた。同校に所属する教師は現在70人ほどで、在籍教師は皆「江副式教授法」の研修を受けているという。「江副式教授法」では日本語の使用感覚を生徒が直感的に理解できるよう、ボディランゲージやイメージの図形化を積極的に行う特徴がある。同校では近年、従来の日本語教育事業に加え、ミャンマー難民に対する日本語学習支援などの社会貢献事業や、自閉症生徒対応プログラムの作成による多様性教育の推進にも力を入れている。江副理事長によれば、最近の日本語学習者の学習動機の傾向は「ビジネスキャリア強化のため」から「日本文化を愛好しているから」に変化しているという。


Loading...