小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=13
会話がちぐはぐであるが、ユーモラスだ。永い旅の緊張から解放された田倉親子は、ほっとした心の緩みから急に睡魔に襲われて、直ぐに寝床に案内された。
耕地における第一夜が明けた。昨夜、闇の中で見つめた地獄絵かとも恐れた自然は、すごく爽やかで清々しい。眼前に広がる牧場では牛や馬が尾を振りながらのどかに草を食んでいる。アヌーと呼ぶ黒い小鳥が家畜の背中や頭などを飛び跳ねて皮膚の寄生虫を捕っている。
谷の彼方には、コーヒー樹林の等高線が緑の孤を描いて空の果てと接していた。裏山には早朝からオームの声が聞こえている。大自然の中で聞くのは、決してやかましくない。むしろ快い自然...
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