小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=45
律子たちが、岡野に勇気づけられて、夜逃げを決行したこと、また磯田の励ましも決して我田引水ではなかった。彼らの誘導があったからこそ、こうして自分たちは生き延びられたのだ。
マラリアに罹った父は、ここしばらく高熱の反復もなく、徐々に食慾も増しているから、一、二ヵ月したら仕事に出られそうだ。
乾季は農閑期でもあった。この時期の日曜日は、畑仕事を休んだ。酒好きの者は飲み仲間を訪問し、飲みながら日頃の鬱憤をぶちまけたり、将来の抱負を語りあった。そこへまた別の隣人が現われる。雑談は夜まで続くのだ。接待の主婦たちは大変である。在り合わせの卵焼きなどを作ってふるまった。自...
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