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《ブラジル》連邦政府が選挙前にバラマキ政策続々=ガス代やトラック運転手援助=支持者への優遇なら違法?

2022年6月23日

アウシリオ・ブラジルのアプリ(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
アウシリオ・ブラジルのアプリ(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 ボルソナロ政権と連邦議会は21日、台所用のガス高騰に対するアウシリオ(援助金)拡大と、燃料代対策としてのトラック運転手向けのアウシリオ創設に関して21日に話し合いを行った。新たなアウシリオ創設に関しては、選挙の直前でもあり、選挙法に抵触する可能性もある、21、22日付現地紙、サイトが報じている。
 この法案については21日、シロ・ノゲイラ官房長官(進歩党・PP)とアルトゥル・リラ下院議長(PP)とロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)によって話し合われた。連邦政府関係者が明らかにしている。
 それによると、ガスのアウシリオは、現状は2カ月に1度の支払いを毎月にする、もしくは現状のまま隔月払いを維持する代わり、支払額を倍にしようというものだという。
 ガスのアウシリオは昨年11月にガス代の高騰対策のためにはじめられたもの。6月現在は、570万世帯に対し、13キロの液化ガス(LPG)入りのボチジョン(ガスボンベ)の平均価格の半額相当の53レアルを支給している。ところが、今年の1~4月のボチジョンの売上が昨年同期比で5・6%減少していることが発覚。支給額が意図通りに使われていないことが問題となっていた。
 また、トラック運転手に対しては、必需品であるディーゼル油の価格高騰を理由に、支援を行うという。政府側は70〜90万人の個人営業の運転手を対象とする意向で、支給額は福祉政策「アウシリオ・ブラジル」と同じ毎月400レアルで考えている。
 トラック運転手はボルソナロ大統領にとっては是が非でも優遇したい対象でもある。それは大統領にとって、彼らは強い支持基盤であるからだ。だが、大統領は最近、トラック業界からの支持を失いつつあり、燃料代高騰を理由としたスト敢行をちらつかされている状況にある。
 ただ、このトラック運転手に対するアウシリオ創設は公職選挙法に抵触する恐れがあり、国家総弁護庁(AGU)が違法に当たらないか確認をしているところだ。
 また、議会の中では、「ディーゼル油の価格高騰を埋め合わせるための特別基金」という形で法案を通した方が良いのではないかとの声がある、これに関してはパシェコ上院議長も同様の見解だ。
 これらの法案は、ペトロブラスの価格政策に伴う燃料価格高騰対策の一環だ。議会は既に商品流通サービス税(ICMS)の課税率の上限を17%にする法案を承認したが、その直後にペトロブラスがさらなる値上げを発表した。
 リラ議長は当初、公社法を改正し、ペトロブラスの経営審議会の委員選出法を変えることで対応しようとしていたが、パウロ・ゲデス経済相が難色を示したため、方向転換。今回の法案立案に至っている。
 だが、この法案では連邦政府の負担がさらに増えることが確実になる。ゲデス経済相は既に、464億レアルまでの対策費用の支出を認めている。


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