《ブラジル》アマゾン殺人事件＝コロンビア容疑者を逮捕＝ドム、ブルーノの殺害命令？

　【既報関連】６月５日にアマゾナス州ヴァーレ・ド・ジャヴァリで消息を絶ち、１５日に遺体で発見された、英国人ジャーナリストのドム・フィリップス氏とブラジル人の先住民保護活動家のブルーノ・ペレイラ氏の殺害事件を捜査中の連邦警察が８日、殺害を命じたと見られているルーベンス・ヴィラル・コエリョ容疑者（通称コロンビア）を逮捕したと同日付Ｇ１サイトなどが報じた。
　ペレイラ氏は法定アマゾンの奥地で生活する少数派、孤立した先住民部族の専門家の一人で、先住民やアマゾンの環境を守るため、先住民を訓練して監視活動を行う事ができるようにするプロジェクトのリーダーだった。
　また、フィリップス氏はペレイラ氏と共に法定アマゾン内を回って先住民や環境を守るための活動やアマゾンの実情などを世界に発信。法定アマゾンを守るための著書も執筆中だった。
　そんな二人が、６月５日に川沿いの部落に立ち寄った後、消息を絶ったとの報道は世界中に広まった。二人の捜索は連邦警察、市警、軍、先住民などが協力して行われたが、アマリルド・ダ・コスタ・デ・オリヴェイラ容疑者（通称ペラード）とその兄弟のオゼネイ・ダ・コスタ・デ・オリヴェイラ容疑者（通称ドス・ダントス）が逮捕された後、殺害事件であることが確定した。
　遺品や遺体、二人が乗っていたボートなどが回収され、遺体の身元も確認されたのと並行して、ジェレルソン・ダ・シルヴァ・リマ容疑者（通称ペラード・ダ・シルヴァ）も逮捕された。
　これら３人の容疑者は密漁者で、殺害や遺体遺棄に直接的に関与しており、遺体隠蔽を助けた容疑者の追跡も続いている。そのような中で起きたのが、コロンビア容疑者の逮捕だ。
　同容疑者は、密漁者や密猟者、金の不法採掘者、不法伐採者らから購入した品を売りさばいていた他、麻薬の密売にも関与していたと見られている。
　同容疑者が関与している事は早い時期から疑われていたが、同容疑者は嫌疑を否定。８日は「自分は関与していない」と言うために警察に出頭した。だが、異なる身分証明書二つを提示した事で身分証明書が偽造されたものである事が判明し、文書偽造罪で現行犯逮捕された。
　同容疑者はペルーとの二重国籍者だが、警察ではコロンビアで生まれたとして、コロンビアの身分証明書を提示したという。警察はペルーの身分証明書も偽造している可能性があるとして当局に照会中だ。
　文書偽造罪は保釈の対象とならず、同容疑者は身柄を拘束されたまま、取り調べを受ける事になる。
　連邦警察は今後、殺害事件への関与の有無の他、密猟者や密漁者などから入手した違法な品を売買していた事などの捜査や犯罪立証などにも取り組む予定だ。