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連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第41話

2022年9月15日

 私の場合、一九六五年のバタタ作が極度に悪かった。八月に植えた二アルケール半のバタタが土壌ウィルスによる根腐れ病でべったりとやられ、掘っても掘ってもまともな芋は出てこない。収量は普通の三分の一以下。それも品質は悪く販売代金は大幅に落ち込んだ上に、ICMと言う州の商品流通税が売上げの一六%課せられることになった。私には目も当てられない惨状である。
 一九六六年はこの様な苦境の中で始まった。前の作の借金がほとんど払えずに残った。次の作付けの金を借りるにも前の分を払わないと出してくれない。伯銀の借金の支払期日が迫っている。そんな時、市中銀行が六〇日の短期融資(パパガイオ...

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