連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第60話
夕刻、私が生まれ育った畑浦の浜の我が家を訪ねた。でも、そこには私達の住んでいた家は跡形もなく、 旭化成の大きな倉庫が建っていた。その帰途、私の親友、黒木敏雄兄を訪ねた。彼は土建業で大成し〈木 倉建設〉の社長であり、日向市の市会議員である。昔の彼の畑であった所に立派な家屋と事務所倉庫が あり、落ち着いた生活ぶりがうかがえた。そこで又二十五年の空白を埋めるべく話に花が咲いた。そし て彼は言った「もしブラジルで生活が苦しかったら、いつでも帰って来い。出来るだけの協力はするよ」。
そう言われた私自身に対するよりも、そんな事が言えるほど成功した友がそこにいることが嬉しか...
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