ポデモスとＰＳＣが合併＝相次ぐ少数政党の救済対策

　２２日、保守政党のポデモスとキリスト教社会党（ＰＳＣ）が合併した。２０１７年に承認され、１８年選挙から適用されているバリア条項により、下院で１０議席以下となった政党は運営が苦境に立たされるため、こうした合併が増えている。２３日付現地紙などが報じている。
　両党の正式な合併は１２月に入ってから行われる党大会からだ。政党名は「ポデモス」の名前が生かされ、政党番号はＰＳＣが持っていた２０番となる。
　ポデモスはラヴァ・ジャット作戦元判事、元法相のセルジオ・モロ氏が最初に所属した政党で、ＰＳＣはボルソナロ大統領が２０１８年に大統領選に出馬する前（２０１５〜１７年）までに所属していた政党だ。ＰＳＣは１９８５年結党の歴史ある政党だが、近年は２０１４年の大統領候補だったエヴェラルド氏の逮捕や、ウィルソン・ヴィッツェル・リオ州知事の罷免など、スキャンダルが相次いでいた。
　この合併はＰＳＣの今年の下議選当選者が６人に終わったことで起こった。バリア条項では、下議の議席が全体の２％、つまり１１人に満たなかった政党は政党支援金や選挙時の支援金が得られなくなり、２０２４年の地方選挙や２６年の統一選挙でのテレビ、ラジオの無料放送枠が得られなくなる。この法律は、ブラジルで長く続いている極度の多党制を解消するためのものだ。
　この結果、新生ポデモスは下院で全体８位の１８議席、上院で７議席と、勢力を増すことになった。
　こうした合併は１０月２日に行われた下議選後から進んでいる。１０月末にはブラジル労働党（ＰＴＢ）がパトリオッタと合併し、新生党「マイス・ブラジル」となった。ＰＴＢはこの直前に党首のロベルト・ジェフェルソン氏が連警に対してマシンガンを乱射し、逮捕される騒動を起こしたばかりだった。
　また、社会秩序共和党（ＰＲＯＳ）と連帯（ＳＤ）も１０月７日に合併すると発表。支援金や選挙放送で協力し合うことになったが、まだ、１１議席には達していない。