サンパウロ州工業連盟ジョズエー会長を更迭=背後に政治的な闘争も

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は16日、会長のジョズエー・ゴメス氏を解任する決定を下した。だが、その決め方が物議を醸している。16、17日付現地紙、サイトが報じている。
ジョズエー氏の更迭は同日午後行われた総会の第2部で決まった。投票結果は47人が解任に賛成、2人が棄権、反対はわずか1人という圧倒的な大差によるものだった。
この日の総会は、昨年12月にジョズエー氏がブラジリアに赴いたことや、昨年8月に加盟団体全体の合意を得ずに「法治民主国家擁護のためのブラジル人への書簡」に署名したことへの説明を求められたことから、開催することになっていた。
だが、第1部のジョズエー氏解任動議には本人が強く弁明をした結果、投票では90人中60人がその疑惑を受け入れないとしたため、議長を務めていたジョズエー氏が閉会を宣言して退席した。ところが以前から予告されていた第2部がその後に始まり、残っていた人たちが本人不在で解任を決めた。こうした経緯から、この決定の有効性を疑問視する声が出ており、ジョズエー氏も裁判に訴える意向だ。
この更迭が有効ならば、最年長の副会長のエリアス・ミゲル・ハダジ氏が正式な会長が決まるまでの会長職を代行することになる。
今回の更迭は政治的な対立が原因だ。前会長のパウロ・スカッフィ氏がボルソナロ前大統領の支持者だったため、同連盟はボルソナロ色を強めていた。
昨年、会長に選ばれたジョズエー氏は自身の政治的信条を明らかにしていなかったが、父が前ルーラ政権の副大統領だったジョゼ・アレンカール氏だったことや、昨年8月にサンパウロ総合大学(USP)が取りまとめた「法治民主国家擁護のためのブラジル人への書簡」にFiespを賛同させたことで、反前大統領派だと判断されていた。
ジョズエー氏は昨年末、ルーラ政権の商工相就任も依頼されていた。ジョズエー氏はこの依頼を断ったが、16日は同氏の代わりに商工相に就任したジェラルド・アルキミン副大統領と昼食をとり、総会にも招いていた。