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法務省幹部=犯罪組織リーダー夫人と会合?=囚人恩赦や待遇改善要求で=ジノ氏最高裁指名に影響か

2023年11月17日

問題となった写真(X)
問題となった写真(X)

 犯罪集団「コマンド・ヴェルメーリョ(CV)」の服役中のリーダーの妻が法務省を訪れ、省内の会合に出席していたことが発覚。これにより、フラヴィオ・ジノ法相(ブラジル社会党・PSB)に対する批判の声があがっている。同法相は最高裁判事候補の一人だ。13日付UOLサイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じている。
 これは13日にエスタード紙の報道で明らかになったものだった。問題となったのは、ルシアネ・バルボーザ・ファリアス氏が今年の3月と5月に法務省を訪れていたことだ。ルシアネ氏はこの時、アマゾナス州自由研究所協会(ILA)の会長として訪れていたが、アマゾナス州の市警によると、ILAはCVに絡んだ犯罪者の恩赦を求めている団体で、麻薬の密売で得た金から資金援助を受けているという。
 また、ルシアネ氏の夫はアマゾナス州でのCVのリーダー的存在のクレミルソン・ドス・サントス・ファリアス(通称チオ・パチーニャス)受刑囚だ。同受刑囚は昨年12月に密売、資金洗浄、犯罪計画などで有罪となり、31年の実刑判決を受けている。また、ルシアネ氏も資金洗浄に関与した嫌疑で10年の実刑判決を受けたが、控訴中なので自由の身となっている。
 ルシアネ氏は、3月19日に法務省の国家法的事務局長のエリアス・ヴァス氏に会い、5月2日には国家刑事政策局長のラファエル・ヴァラスコ・ブランダニ氏と会っている。彼女はこの時に写真を撮っており、これらの局長と共に写った写真をSNS上で拡散もしていた。
 法務省はこれらの事実を認めているが、「弁護士団の一員として受け入れた」と語っている。ルシアネ氏は弁護士のカミラ・ギマリャンエス・デ・リマ氏や友人で元リオ州議のジャニラ・ロシャ氏(社会主義自由党・PSOL)と共に、同省を訪問している。ロシャ氏は2021年にラシャジーニャ(ピンハネ)疑惑で有罪判決を受けた人物で、夫の殺害容疑で服役中の元下議で歌手のフロルデリス受刑囚の担当弁護士としても知られている。
 これらの報道により、ジノ法相も「ルシアネ氏と面会したのでは」との疑惑が浮上したが、同法相は「本人にも家族にも会っていない」と13日に否定した。
 一方、ヴァス局長は会合を持った事実を認め、「過ちの責任は全て自分にある」と謝罪した。メトロポレスの報道によると、13日早朝、ヴァス氏はジノ法相に電話で怒鳴りつけられたという。
 これにより、野党議員らからはジノ法相解任を求める声も上がっており、下院では同法相を召喚して説明を求めようとする動きも起こっている。
 だが、ルーラ大統領はこれに対して、「馬鹿げた策略の犠牲になっただけだ。その夫人とは会った写真さえないわけだから」として擁護した。
 ジノ法相は9月にローザ・ウェベル前長官が定年退官して以来空席となっている最高裁判事の有力候補の一人だが、今回の件で「大統領からの指名の可能性は減るだろう」と見る向きと、ルーラ氏同様、「罠にはめられた」として問題視しない向きの両方が存在する。


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