マルフ氏=8千万レ、ブラジルに返還へ=スイスの隠し口座の預金
スイス最高裁は、サンパウロ州政界の大物政治家パウロ・マルフ氏がスイスの隠し口座に持っていて凍結されていた約8千万レアル(1630万米ドル)をブラジルに返還することを決めた。19日付G1サイト(1)が報じている。
この件はブラジルの連邦検察庁と連邦総弁護庁がスイスの最高裁に訴えを起こしていたもので、昨年9月に同国の刑法裁判所が返還の判断を下した。その後の最終判断は同国最高裁が今年の2月2日に下しており、19日にはその結果がブラジルでも明らかにされた。
スイスの口座に預金されていた金は、マルフ氏がサンパウロ市市長だった1993〜96年に市南部のアグア・エスプライアーダ大通り(当時、現在のジョルナリスタ・ロベルト・マリーニョ大通り)の建設事業の際に受け取った賄賂などと見られており、資金洗浄の嫌疑で連邦検察庁が動いていた。
マルフ氏は国外口座を使った資金洗浄を長期にわたって繰り返した疑惑がもたれており、国際警察にも指名手配されている。下議だった2017年に最高裁から有罪判決を受け、実刑に服した上、18年に任期剥奪。同年には、86歳という高齢と健康問題を理由に自宅軟禁に切り替えられていた。
スイスからの預金返還の訴えは、2014年に最高裁が検察庁に了承を出し、手続きが進められていた。