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弁護団「亡命では理屈に合わない」=前大統領ハンガリー大使館宿泊で=「検察起訴しない」との見方も

2024年3月29日

ハンガリー大使館でのボルソナロ氏(X)
ハンガリー大使館でのボルソナロ氏(X)

 【既報関連】ボルソナロ前大統領の弁護団は27日、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事に対し、前大統領が2月8日に行われた連邦警察のテンプス・ヴィウリタテス作戦の4日後にハンガリー大使館に身を寄せた経緯について説明を行い、「亡命しようとしていたというのは非論理的」などとする報告を行った。27日付G1サイト(1)などが報じている。
 これは、2月12日にボルソナロ氏がハンガリー大使館に赴き、14日まで宿泊した件についてのものだ。4日前の同月8日に行われたテンプス・ヴィウリタテス作戦ではボルソナロ氏の元側近が逮捕され、ボルソナロ氏自身もパスポートを没収された。同作戦では、「大統領選の結果を覆すクーデター疑惑により、前大統領逮捕か」との懸念も支持者たちの間で広がった。
 ブラジル諜報部は以前から前大統領がハンガリー大使館に滞在していたとの情報を掴んでいたが、米国ニューヨーク・タイムスが25日に監視カメラに収められた映像記録とともに報じたことで広く知られることになった。ボルソナロ氏側は寝泊した事実は認めたものの、逮捕逃れをしたことは否定。だが、モラエス判事は同日夜、48時間以内の事情説明を求めていた。
 ボルソナロ氏の弁護団はモラエス判事に対し、「ボルソナロ氏は常にハンガリーと良好な関係を保っており、世界の保守派を代表する国に関する情報を常に入手している」と説明。他方、大使館は不可侵空間であるにも関わらず、「大使館は外国の領土と混同されるべきではない」と主張。「不可侵性は外交官たちが障害なく業務を遂行できるよう保証するためで、大使館の領土を受け入れ国から分離することを認めるものではない」として、警察がボルソナロ氏と接触を持つことは可能だったとの考えも示した。
 さらに、「一時拘束の心配などが特にない状態で、ボルソナロ氏が他国の大使館に亡命を求めるなどということは理屈にかなっていない」と主張した。
 だがこれでは、ボルソナロ氏がなぜカーニバルの時期にハンガリー大使館に赴き、国の情勢を知る必要があったのかの説明になっていない。
 ボルソナロ氏自身も25日夜、ハンガリー大使館に滞在したことに関し、「大使館で寝泊りすることが犯罪に当たるのか」と反論した。ただ、連警側はこの弁明を「滑稽でお粗末なもの」と解釈し、説得力があるとはみなしていない。
 また、メトロポレス(2)が27日に報じたところによると、2月13日の夜は前大統領次男のカルロス氏もハンガリー大使館を訪れていたという。ニューヨーク・タイムスの報道では何者かが訪れたという報道にとどまっていたが、それがカルロス氏であることが判明したという。だが、訪問の目的は明らかにされていない。
 今回の弁護団の報告を受け、モラエス判事は連邦検察庁に対し、今回のボルソナロ氏側からの説明に関する意見書を5日以内に提出するよう命じた。グローボ紙(3)などの報道によると、司法行為から逃れようという意図は明確だが、この件で起訴するには至らないであろうと予想されている。また、検察庁にも、この一件を「情けない」と評価している検察官がいるという。


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