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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=127

2024年4月19日

 屋内は、入るとすぐ中央の土間に据えた食卓と、壁側に泥土で固めた竈が見える。奥が寝床で、柱間に一本のハンモックが吊られている。傍の壁には場違いの、見るからに高性能な一挺の猟銃が掛かっていた。
 食糧は米とタピオカ芋の粉、そして塩と砂糖を蓄えてある。おかずは、山鳩や、まれに鹿や山豚などを射止めて塩漬けにしておけばこと足りる。タピオカ芋や甘藷は痩せ地でも充分育つし、豚や鶏も飼える。自給自足の生活に不自由はしない。土地は無限で、通常は何ぴとも俺の土地だとか、出て行けと言ってくる者はいない。もし、誰何する奴が現れた場合は、移動すればよい。
 田守ジョージがこのカンバラの...
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