連邦政府=新たな先住民保護区制定=法に阻まれ、2カ所のみ

「インディオ(先住民族)の日」前日の18日、法務省で国家先住民政策審議会(CNPI)再開会議が開かれ、先住民保護区2カ所が新たに制定されたと18日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
新先住民保護区はバイア州アルデイア・ヴェーリャとマット・グロッソ州カシケ・フォントウラの2カ所だ。ルーラ大統領は署名に際し、会議に出席中の先住民族代表者達の中には不満を覚える人もいるかも知れないがと前置き後、リカルド・レワンドウスキー法相は新たな先住民保護区の候補として6カ所を挙げたが、制定予定地内の非先住民族居住などの問題を解決してから制定した方が良い場所があると判断し、2カ所だけを制定したと説明した。
また、農園主や貧しい一般人ら、先住民族以外の人が800人またはそれ以上占拠している土地もあり、警察力や暴力を使わずに彼らを退去させる方法を考えるため、時間が欲しいと要請した知事もいると語った。
だが、2カ所のみの制定となった最大の理由は、先住民族保護区制定を1988年10月の憲法発効時に先住民族が住んでいた土地に限るマルコ・テンポラル(タイムライン)法だ。同法は最高裁が違憲としたが、議会が承認。大統領は裁可の際、全体に拒否権を行使したが、議会はこれを覆した。最高裁はタイムライン法を無効とする必要があり、連邦検察庁は11日に同法は覆すべきとの意見書を提出済みだ(12日付アジェンシア・ブラジル(3)参照)。
現政権での先住民族保護区制定は昨年の8カ所と合わせて10カ所となった。前政権では1カ所も制定されなかった。
前政権はCNPIも停止したが、ソニア・グアジャジャラ先住民族相の努力が実って再開にこぎつけた。同相は、「国内に住む305部族は274以上の異なる言語を話し、文化の多様性と特殊性により、国家社会とは異なる社会を形成している。先住民族は他の社会とは異なる特別な政策獲得のために闘っている」と語っている。
伝統的な先住民族の土地占有のための本来の権利は憲法でも規定されており、永久的な土地所有と独占的享受を保証している。つまり、先住民族の土地は先住民族以外には利用できないもので、譲渡不能。土地に関する権利は不可侵または永久的なものだ。
先住民達は新保護区制定後、憲法には規定がない知事達への打診が行われたことや4カ所制定見送りに驚き、「我々は政権移行後、100日以内に14カ所の保護区制定という提案に同意したが、400日以上経っても実現していない」と現政権を批判した。