南に届け、みんなの心＝支援物資が続々と！

　4月28日からの豪雨でリオ・グランデ・ド・スル州全体に非常事態が宣言された後、州外からも同州や同州の人々を支援する動きが絶え間なく続いている。
　一例は、ブラジリアの空軍が始めた、「トードス・ウニードス・ペラ・スル（Todos Unidos pela Sul）」と呼ばれる支援キャンペーンだ。
　8日付アジェンシア・ブラジル（1）によると、SNSや携帯電話の通信ソフトを使ったキャンペーン開始後は連日、バイクやトレーラー付の乗用車、荷台付トラックなどが長蛇の列を作り、8日には格納庫三つを埋め尽くすほどの支援物資が集まった。

　8日にペット用の餌や薬を届けたジオゴ・レイテ氏（45）は、空軍基地の門から支援物資を下すまでに45分を要した後も、「家で何もせずに文句を言っているのではなく、手伝いが出来て嬉しい」と語る。
　かつて住んだ町が水面下にあると知って、家族と共に集めた食料や玩具を届けたグラッサ・ローザ氏は、「被災地の人達のことを考えると心が重く、辛いけれど、少しでも助けになれば嬉しい。自分があの状況に耐えられるかさえ、わからないけど」と言う。
　連邦直轄区の非営利団体の一つは、僅か4日で毛布1400枚とトイレットペーパー5千個、ミネラルウォーター9千リットルを購入できるほどの寄付が集まったとし、購入した品物を届けた。
　8日付アジェンシア・ブラジル（2）によると、9日の空軍機による輸送に間に合わせるため、連邦政府も8日、寄付で購入した水の浄化器220個を空軍基地に届けた。
　9日付CNNブラジル（3）によると、リオ市では、ファヴェーラ単一センター（Cufa）が早い時期から地下鉄やBand局と提携して支援物資を集めており、海軍などを通して既に30トンを送付。9日には、10日までにさらに50トンを送る予定と語っている。Cufaが送った品の一例は水で、6日に3万リットル、7日に1・6万リットルを送った他、週末までに6万リットルを追送する。
　9日付アジェンシア・ブラジル（4）によると、リオ市ではガレオンの空軍基地でも支援物資を受け付けており、9日の時点で450トンの食料品が集まっている。
　9日付アジェンシア・ブラジル（5）によると、郵便局も支援物資を受け付けており、サンパウロ州のカジャマールとグアルーリョス、ブラジリア、パラナ州のクリチバ、カスカヴェル、ロンドリーナでは物資を仕分けするためのボランティアも募集している。郵便局の場合は受け付け開始からの3日間で、国税庁が寄付した押収衣類50トンや届け先が不明などで90日以上保管していても引き取り手が現れなかった衣類や家庭用品23トンなど、約800トンの寄付が集まった。
　また、10日付G1サイト（6）によると、全ての郵便局で支援物資の寄付を受け付けることも発表された。郵便局を通して寄付された品は無料で配達される。
　9日付アジェンシア・ブラジル（7）によると、ルイ・コスタ官房長官はこの日、連邦機関だけでも9日までに2千トン近い支援物資を送ったと発表。今回の豪雨はリオ・グランデ・ド・スル州最大の自然災害となったが、国民の寄付も新記録を更新中だという。
　現地で必要とされている品は、水や清掃用品、衛生用品、マットレス、ベッドパッド、食料品セット、ペット用の餌、シーツや枕カバー、衣類、玩具、医薬品など。下着や乳児用の衣類は新品、シーツや通常の衣類は保存状態がよく、使用に耐えるものである必要がある。履物類は左右を揃えてひもで縛ったり、袋に入れたりして紛失や混乱を防ぐ工夫を。食料品は輸送や現地での作業を容易にするため、箱入りキットか丈夫で透明な袋にまとめた方が良い。
　現地に送るタイミングは現地での受け入れ態勢などで決まるが、国外からの支援物資は免税となった他、支援物資輸送用の車には国道の通行料も免除される（10日付G1サイト（8）参照）。
　8日付アジェンシア・ブラジルなど（9）（10）によると、8日からはカノアスの空軍機時でも支援物資を載せた民間機の発着を受け入れ始めた。また、港湾空港省は9日、リオ・グランデ・ド・スル州への支援物資の輸送を迅速化するため、物資輸送用に民間路線で週116便を組んだと発表。同州内の6空港とサンタカタリーナ州の2空港が同計画に対応する。