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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=7

2024年7月18日

「通訳の中で最も体格の立派な金縁眼鏡の黒服を着て手に山高帽を持った人は、柱にもたれてニコニコしていた。この人が大野基尚氏だった。一番小柄で、縞の洋服に赤いネクタイをきちんと結びむぎわらのカンカン帽を横っちょにかぶって肩をいからし、固い顔をして偉そうに歩く男が加藤順之助氏だった。仁平通訳は普通の体格で縞服を着、色が白くカンカン帽をななめにかぶり、目が涼しい人だった。デブチンでチョビ髭を生やし、血色が良くニコニコと下り眉毛の中背の男が平野通訳だった。髪の薄い、色の白い男、すべて小造りで話すとき口をモグモグさせていた人が嶺通訳だった」
 この人物評は正確である。
 五...

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