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ネット賭博にハマる貧困層=政府給付金で賭け、規制論議

2024年9月26日

オンライン賭博による債務増加が深刻化している(Foto: BRUNO PERES/AGÊNCIA BRASIL)
オンライン賭博による債務増加が深刻化している(Foto: BRUNO PERES/AGÊNCIA BRASIL)

 ルーラ大統領は24日、家計の債務増加を抑制するため、国内でのオンライン賭博への規制を呼びかけた。ブラジルでは以前からカジノやギャンブルに対する法規制があるが、近年のオンライン賭博(Bets)の普及により、家庭内で賭博が習慣化している現状を問題視している。同日付ポデール360(1)が報じた。
 「ブラジルでは貧困層が賭けでお金を稼ごうとして債務を増やしている。この問題を規制しなければ、やがて各家庭の台所でカジノが営業されるようになるだろう」と述べた。
 この発言は、米国ニューヨークで開催された「民主主義擁護:過激主義との闘い」と題するイベントで行われた。同イベントはルーラ大統領とスペインのペドロ・サンチェス首相が開催したものだ。
 ルーラ大統領は、賭博の問題は「嘘」に基づいた収益化だと強調。「我々は、デジタルネットワークを通じた嘘の収益化という狂気を目の当たりにしている。一部の人が億万長者にのし上がっている。この事実がブラジルの問題なのだ」と述べた。
 ブラジル中銀の調査によれば、賭博業者は今年1〜8月に、社会福祉政策「ボルサ・ファミリア(以下、BF)」の受給者から計105・1億レアルを受け取ったという。この額はPix(即時決済システム)を通じて行われたもののみで、デビットカードやプリペイドカード、TED(銀行当座預金の電子式移転)などの他の手段による支払いを含めると、さらに金額が多くなる可能性がある。
 データによると、BF受給者による平均消費額は月13・1億レアル、1人当たりでは147レアルだった。このうち540万人(60・5%)は実際に給付金を受け取っている世帯主で、計62・3億レアル(59・3%)をPixで支払っていた。
 24日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、Pixを使ったBF受給者によるBetsへの賭け金は8月だけで30億レアルに達した。
 同月、ブラジル政府は2076万人のBF受給者に総額141億2千万レアルを支給した。世帯あたりの平均支給額は681・09レアルだ。
 中銀のロベルト・カンポス・ネット総裁は24日のイベントで、1月以降、賭けへのPix送金が3倍に増加したと発表。特に低所得層への影響を懸念し、生活保護受給者と賭けの増加には強い相関関係があると述べると共に、債務不履行の増加への懸念も示した。
 フェルナンド・ハダジ財相は先週、運営許可を申請していない賭けの活動を停止すると発表。国内がBetsのパンデミックに直面しているとし、心理的依存の問題に取り組む必要性を強調した。


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