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サンパウロ市圏大停電=まだ3万6千世帯電気なし=Enel「通常の範囲内」=寒冷前線で悪夢再来⁈

2024年10月18日

電気が戻らない街並み(Reproducao)
電気が戻らない街並み(Reproducao)

 【既報関連】復旧作業に手間取っている大サンパウロ市圏大停電に関し、サンパウロ州地裁は15、17日に電力会社Enelに対し、24時間以内に作業を終えるよう命じた。18日には次の寒冷前線到来で再び大雨との予報もあり、市民を不安にさせている。16日付G1サイト(1)などが報じている。

 今回の大規模停電では、発生から7日目の17日も、依然として3万6千世帯が電気が使えない状況となっている。だが同日朝記者会見したEnel社長は「もう通常の範囲内」とコメントし波紋を呼んでいる。(2)
 サンパウロ州地裁のファビオ・デ・ソウザ・ピメンタ判事は15日夜、Enelに対し、サンパウロ市の停電を24時間以内に完全に収束させる司法判断を出した。サンパウロ州検察局の要請で出た判断の官報掲載は18日で、効力を発するのは21日からだ。同判事は判決文の中で、「南米一の大都市でこのような事態が繰り返されるのは容認できない」とした上で、Enelが24時間以内に事態を解決しない場合、1時間の遅れにつき10万レアルの罰金を科すとした。
 イダ・イネス・デル・シジ判事も17日にサンベルナルド・ド・カンポ市での復旧作業について24時間の期限を切り、1時間の遅れにつき5万ドルの罰金を科すと命じた。
 手間取る復旧に苛立つ市民の声も拡大の一途だ。グローボ局は電気が復旧しないサンパウロ市極南部ジャルジン・オルリーの住人を取材し、生計を立てるために売っていた食料が停電で台無しになったことを嘆く高齢の婦人や、脳性麻痺の息子を学校に通わせられなくなった母親などの姿を報じている。(3)
 また、大サンパウロ市圏コチアの富裕地区グランジャ・ヴィアナでも4日以上電気が戻らず、電気を求める住人らが大サンパウロ市圏外の新興地帯として知られるアルファヴィレのホテルまで行って過ごしたことを報じる記事もある。
 だが、大停電の復旧が完全に終わらない内に、市民たちは次の停電を恐れ始めている。それは、気象観測所(Inmet)が既に、次の寒冷前線到来とそれに伴う暴風雨の予報を出しているからだ。
 それによると、寒冷前線は17日にサンパウロ市に接近し始め、18~19日にはかなり激しい雨が降ると予測されている。最も雨が降るのはサンパウロ市で、タウバテーやソロカバ、カンポス・ド・ジョルダン、タボアン・ダ・セーラなどでも強い雨が予想されている。予想される雨量は20〜50ミリで、時速40〜60キロの風も吹く見込みだ。(4)
 こうしたことから、市民の中には週末に備えて、買い出しなどを行う人の姿も見られている。
 また、この次に大きな停電が起きたらタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事やリカルド・ヌーネス・サンパウロ市市長に影響が出るのではないかとの見方を関係者が行い始めてもいる。両者とも大停電に関してはEnelの資格剥奪を望む発言を行っているが、民営化路線の推進者でもあるためだ。
 サンパウロ市市長選をヌーネス氏と争うギリェルメ・ボウロス氏は16日にレデ局の取材に応じ、「Enelが停電の母でヌーネス氏が父だ」と称して批判。停電対策として、その原因となっている倒木に備え、市役所や区役所の街路樹管理を徹底させたいとした。(5)

 


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