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ルーラ=浴室で転倒、後頭部負傷=ロシア行きは急きょ中止=BRICS会議Web参加

2024年10月22日

ルーラ大統領への診断書(Reproducao)
ルーラ大統領への診断書(Reproducao)

 ルーラ大統領は19日、大統領官邸で転倒して頭を負傷。22~24日にロシアで開かれるBRICS首脳会議への参加を取りやめた。同会議にはヴァーチャル参加する見込みだ。20日付G1サイト(1)が報じている。
 ルーラ大統領は19日、大統領官邸の浴室で足を滑らせて転倒。即座にブラジリアのシリオ・リバネス病院に運ばれ、検査や患部を5針縫う治療を受けた。
 ルーラ氏は検査と治療後、退院許可を得て、大統領官邸へ戻ったが、翌20日午前中にシリオ・リバネス病院で追加の検査を受け、再び大統領官邸に戻った。
 病院側の診断報告によると、大統領は後頭部を打ち、外傷と軽い脳挫傷が起きているが、意識を失うような事態は起きておらず、危険な兆候もないという。外傷は首筋を5針縫う程のケガで、脳挫傷の方は脳の側頭前頭領域に小さな脳出血が見られたという。
 担当医で心臓外科医のロベルト・カリル・フィーリョ氏は、後頭部を打った場合は72時間、浮腫や出血の有無を確認するための検査が必要とし、20日午後に予定されていたロシア行きのキャンセルを勧めたが、それ以外の活動は禁じていない。
 ルーラ氏は19日にサンパウロ市で市長候補のギリェルメ・ボウロス氏のキャンペーン用ビデオの録画に参加した後、ブラジリアに戻り、ロシアのカザンで行われるBRICS首脳会議に参加すべく、最終的な準備を行っていたが、この勧告後、ロシア行きのキャンセルを決めた。会場となるカザンまでは飛行機で17時間かかる上、飛行中は脳内圧が高まり、出血しやすくなる。また、ルーラ氏が78歳と高齢であることも考慮された形となった。(2)
 大統領を診察した脳神経外科医のルイス・セヴェロ氏は、高齢者は組織や血管がぜい弱なため、打撲後に浮腫や出血が生じる可能性がより高まるとしている。
 他方、サンパウロ州地方医師協議会(Cremesp)のマイザ・カイラーラ医師によると、80歳を超えた人の転倒は日常的なことで、40%の人が経験しているという。また、30日間は後から生じる症状などへの注意が必要だとしている。
 この転倒により、カザンに向かう派遣団の団長はマウロ・ヴィエイラ外相が務めることになり、会議にも同外相が代理で参加することになる。ただ、ルーラ氏はビデオを通してのヴァーチャル参加を行う見込みだ。
 一部報道によると、ルーラ氏不在のタイミングを見計らい、中国やロシアがベネズエラのBRICS入りを進めるのではないかとの説が流れているが、ルーラ氏は同国のBRICS入りに反対の意向を示唆している。
 その理由は、7月28日に行われた同国大統領選で、ニコラス・マドゥーロ氏が票の集計プロセスを明らかにしないまま、一方的に当選者となったことに対し、大統領や外務省が当選は認められないという立場をとっているためだ。(3)
 また、今回の会議では、中国とのテクノロジー競争に関し、米国に対し障壁を設けることを話し合うのではないかとも注目されている。
 今回の会議は、従来のBRICSにイランやサウジアラビアやアラブ首長国連邦も加わり、計10カ国で行われる初の首脳会議だ。来年の議長国はブラジルが務めるという意味でも重大な意味を持つ。(4)

 


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