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ルーラ=環境や超富裕層課税を擁護=BRICS会議スピーチで=プーチン意識して和平推し

2024年10月24日

演説中のルーラ大統領(Reproducao)
演説中のルーラ大統領(Reproducao)

 23日、ルーラ大統領はロシアのカザンで行われているBRICS会議にビデオで参加した。大統領はロシアのプーチン大統領の前で演説し、中東の紛争でイスラエルを厳しく批判したが、ウクライナ紛争に関しては「和平交渉の開始を」と主張しただけだった。同日付G1サイト(1)が報じている。

 ルーラ大統領は19日、浴室で爪を切っていた最中に転倒し、頭や首筋を負傷した。来年はブラジルがBRICSの議長国を務めることもあり、大事な会議だったが、今回は医師の勧めで現地での参加が見送られ、ビデオでの参加となった。
 ルーラ氏はこの日、エジプトのエルシーシ大統領、エチオピアのアムデ大統領に次ぐ3番目にスピーチを行い、約7分間語った。
 大統領はまず、気候変動問題に触れ、「BRICSこそがこの問題の主役になるべきだ」と主張。パリ協定が目標としている、「地球温暖化は最大限でも1・5度まで」を遵守するべきだと語った。
 「毎年1千億ドルを対策費に費やしているが、それでも目標が果たされていない。各国が監視することが大事だ」と大統領は語っている。
 さらに、飢餓対策として、G20参加国の富裕層に大型課税を行う必要性を説いた。ブラジルは今年、G20の議長国を務めている。
 「ブラジルをG20の議長国にしていただいて感謝している。この後ろ盾は、国際的な格差是正に不可欠な経済大国への大型課税には不可欠なこと。BRICS諸国が過去10数年間でやってきたことが実りつつある」とルーラ氏は語った。
 ルーラ氏は、現在展開されている国際紛争に関しても言及した。イスラエルに関しては、予てから「ジェノサイド(大量殺戮)を行っている」と批判しているが、ここでも「ガザ地区を子供と女性の墓場にしただけでなく、今はそれをヨルダン川西岸部やレバノンにまで拡大しようとしている」と批判した。
 このように戦争自体は批判したが、ウクライナとロシアの紛争に関しては「エスカレートを避け、和平交渉を開始することが重要である」とだけ控えめに発言し、伯中が共同提案してプーチン大統領が称賛した和平案を暗に推した。だが、この和平案はウクライナのゼレンスキー大統領からは「破壊的」と評価され、「ブラジルは親ロシア」との発言まで出た。
 また、貧しい国々がネットウイルスやAI(人工知能)などに対するワクチンにアクセスできるようにする必然性や、BRICS共通通貨の導入も主張した。BRICS通貨に関する発言は、BRICS銀行の別称も持つ新開発銀行(NBD)の現総裁が、自身の大統領後継者でもあったジウマ元大統領であることに絡んだことでもある。
 なお、カザンにはベネズエラのニコラス・マドゥーロ氏も来ているが、ルーラ氏はベネズエラやニカラグアといった独裁国家のBRICS入りに関する言及を避けた。ただし、ルーラ政権は事前にこの2国をBRICS参加国入り候補のリストから外すよう要請している。ルーラ政権は、ベネズエラが公正な大統領選を行わなかったことやニカラグアが国内の教会閉鎖を行ったことに対し、反対の立場を示している。(2)


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