詩人シッセロが死去=妹Mリマはじめ作詞家でも活躍

作家でブラジル文学アカデミー(ABL)の永久会員でもあった詩人、作詞家で、歌手マリーナ・リマの兄としても知られるアントニオ・シッセロが23日、亡くなった。同日付G1サイト(1)が報じている。
1945年にリオで生まれたシッセロは、ジュセリーノ・クビシェキ(JK)政権時代の社会経済開発銀行(BNDES)の理事だった父の仕事の関係で、少年時代を米国で過ごした。
60年代に帰国した後、キリスト教大学リオ校に通ったが、軍事政権を嫌ってイギリスに留学。ロンドン大学で哲学の修士号を得た。
1980年代にブラジルに帰ると、妹のマリーナ・リマがロック歌手として活動し始めた。彼が歌詞を提供した、「フルガス」「パラ・コメッサール」「ア・フランセーザ」などの楽曲は次々と大ヒットを記録。これを皮切りに人気作詞家となったシッセロは、ジョアン・ボスコやルル・サントスなどのためにも作詞を行った。
90年代に入ると、詩人のバリー・サロモンとの詩のプロジェクトや現代哲学の著作などを発表するようになり、文学的な仕事でも知られるようになる。
シッセロは2017年にABLの会員に選ばれている。会員番号は27番だった。
近年はアルツハイマー病を患い、パートナーのマルセロ・ピエス氏と共にスイスのチューリッヒで生活。同地で息を引き取った。(2)