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アマゾン=森林火災犯罪のボス逮捕=1億4千万レの環境被害

2024年10月26日

犯罪組織が破壊した法廷アマゾンの森林の一部(Divulgação/Polícia Federal)
犯罪組織が破壊した法廷アマゾンの森林の一部(Divulgação/Polícia Federal)

 連警が23日、サンパウロ州内陸部カンピーナス市で、法定アマゾンで不法伐採や森林火災を繰り返す犯罪組織の首領を逮捕したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
 この逮捕劇は、アマゾナス州南部のボカ・ド・アクレとパウイニの2市で発生している環境犯罪に関与している犯罪組織に関する連警のドラカリス作戦によるものだ。
 連警によると、同作戦は、先の2市で不法伐採や森林火災を繰り返し、植生の再生を妨げた上、文書偽造なども行っていた犯罪組織を摘発するためのものだ。
 また、カンピーナス市の高級集合住宅で逮捕されたのは犯罪組織の首領で、主な資金提供者かつ調整者だったという。男性はカンピーナス市内の連警署に連行された。同市ではこの男性の自宅の他、3カ所で家宅捜査が行われた。
 連警によると、ボカ・ド・アクレ、パウイニ両市は、環境規制当局の目が届き難く、環境犯罪を繰り返し、広範囲な略奪的搾取を行っても監視や懲罰を避けられるように選ばれた戦略的な場所だったという。
 また、この組織は2368ヘクタールに及ぶ森林火災を引き起こした上、国有地にある原生林1672ヘクタールを破壊し、1・38億レアルに及ぶ被害をもたらしたという。連警が入手した衛星写真によると、9~10月中心に引き起こされた森林火災はアマゾン地域を覆う濃い煙の発生を招き、他の地域にまで深刻な健康被害をもたらしている。
 カンピーナス、ボカ・ド・アクレ、パウイニの3市での逮捕令状や家宅捜査令状を出したのはアマゾナス州の連邦地裁第7法廷で、1・38億レに及ぶ環境被害修復を保証するため、捜査対象者全員の銀行口座その他の動産及び不動産の差し押さえも命じた。
 連警は、ドラカリス作戦は不法伐採や森林火災の予防と撲滅のための国家計画の一部で、法定アマゾンでの犯罪行為を阻止することに加えて、ブラジルの天然資源を守り、アマゾンの荒廃によって利益を得ている犯罪者の責任を追及するためのものと強調している。
 法定アマゾンでの不法伐採や森林火災は人権や環境、気候変動といった問題に敏感な国などからの国際的な批判の的の一つだ。特に、欧州連合(EU)は不法伐採や森林火災による開発地で生産した農作物や派生品の輸入を禁止する法令も作成。禁輸対象の品にはブラジルの主要産物である大豆や肉、カフェ、肉、カカオの他、紙や木材、セルロース、家具、ヤシ油、ゴム、皮革類、チョコレートなども含まれる。
 同法令は今年末から適用される予定だが、ブラジル農務省とブラジル外務省は今月、EUに適用開始時期の延期を要請。EU議会や加入国議会での審議を求めている(2日付G1サイト(5)参照)。


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