A・モレイラ・リマが死去=ブラジルを愛した国際的ピアニスト

ブラジル史上最高のピアニストとの呼び声もあったアルトゥール・モレイラ・リマが、10月30日に大腸がんで亡くなった。84歳だった。同日付フォーリャ紙など(1)(2)が報じている。
モレイラ・リマは1940年にリオ市で生まれ、6歳でピアノを習い始めた。
その才能は若いうちから発揮され、1965年に行われたショパン国際ピアノコンクールで世界2位に選ばれた。このころの彼は多くの国際コンクールに参加しており、1970年にはチャイコフスキー国際コンクールでも3位となった。
モレイラ・リマはショパンやリストといったロマン派だけでなく、プロコフィエフやヴィラ・ロボスといった現代作曲家の解釈を得意とした。
また、ブラジルの大衆作曲家のエルネスト・ナザレスの作品を録音し、さらにブラジル版のジャズとも称されるショーロやサンバもレパートリーに取り入れていた。
モレイラ・リマは舞台演奏にこだわらず、ステージを兼ねたトラックで全国を旅する「街道のためのピアノ(ウン・ピアノ・ペラ・・エストラーダ)」というプロジェクトを立ち上げ、ピアノ演奏普及のために取り組んだことでも知られている。
フォーリャ紙は追悼記事で、「ウィーン・フィル(交響楽団)やボストン・フィルと共演する人生を送ろうと思えばできたが、伯国のために尽くした」と彼を讃えている。
昨年から大腸がんを患い、2週間前からはサンタカタリーナ州フロリアノーポリス市内の病院に入院していた。