サンパウロ市市長選=連警がマルサルを書類送検=ボウロスの偽造診断書巡り

連邦警察はサンパウロ市市長選候補だったパブロ・マルサル氏に関し、同じく市長候補だったギリェルメ・ボウロス氏の偽造診断書拡散の嫌疑で書類送検した。8日付UOLサイト(1)などが報じている。
これはマルサル氏が市長選第一次投票の2日前の10月4日にインスタグラムに、ボウロス氏は「精神疾患を患っている」「コカイン常用の痕跡がある」という診断書をあげたことにある。
だが、間もなく、この診断書に署名したとされる医師は故人であり、診断書が発行されたはずの日時にはすでに亡くなっていたことが判明。同医師の娘が問題視し、訴える意向を示していた。
結局、マルサル氏はこの選挙で3位に終わり、ボウロス氏が2位で決選投票に進んだが、ボウロス氏も10月27日の決選投票でリカルド・ヌーネス氏に敗れている。
マルサル氏は書類送検された8日、連邦警察に出向き、3時間にわたってこの診断書に関する説明を行った。マルサル氏は刑法第304条が定める「診断書の偽造」で書類送検された。診断書は既に連警、市警により偽物であったことが確認されている。
マルサル氏は「偽造されたものだったことに気がつかなかった」と主張。同氏の弁護士は「手続きが早すぎる」と抗議している。
サンパウロ州選挙地域裁のシルマール・フェルナンデス長官もこの件の動向を追っており、「これでマルサル氏が有罪になれば、被選挙権もはく奪されることになる」との見解を示している。選挙裁判所で出馬停止の判断が出れば、8年間は出馬できなくなる。
一方のボウロス氏はマルサル氏に関して、「審理は厳粛に行ってほしい」と語っている。
マルサル氏による対立候補の虚偽情報拡散は、ボウロス氏の偽造診断書だけに限らず、キャンペーン中も、情報の取り下げやアカウント停止の処分を何度も受けている。