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ルーラ政権=軍人年金も削減対象に?=軍事費の8割が給与年金=発表遅延に苛立つ市場

2024年11月14日

国防省(Oficial)
国防省(Oficial)

 ルーラ大統領が連邦政府の支出削減の候補として考えられていた5省庁に、国防省を加える可能性があることが明らかになった。連邦政府に支出削減策提出を急ぐ様子が見られないため、市場では苛立ちも見られる状況だ。12日付G1サイト(1)が報じている。

 国防省の追加は、フェルナンド・ハダジ財相が11日に明らかにした。ハダジ氏は、「支出削減を行う省庁は?」という記者団の質問に対し、ルーラ大統領が支出削減の対象省庁をもう一つ増やすよう求めたと語った。このもう一つが国防省であったことは、12日に財務省が明らかにした。
 「先週行った大統領との会議では、労働省、社会保障省、飢餓対策・家庭社会支援・開発省、教育省、保健省に関する話がまとまっていた。この件に関しては13日に話し合われるが、大統領の要望に応える時間があるか否かはわからない」と語った。
 国防省予算の削減は全くの寝耳に水的展開で、軍関係者を驚かせた。国防省は11日にも会合に呼ばれているが、予算削減は反対も十分に予想される繊細なテーマであるため、13日にルーラ大統領とジョゼ・ムシオ国防相との間で会談も持たれた。(2)
 国防省は連邦政府全体で5番目に支出が多い省庁で、ルーラ大統領は軍人年金の削減を視野に入れていると考えられている。現状、同省の支出の大半を占めるのが軍人たちの年金だからだ。国立会計検査院(TCU)の計算によると、国立会計検査院(TCU)の計算によると、民間の年金受給者の場合は1人あたり年間で9400レアルの赤字で済むが、軍人だと1人あたり15・9万レアルの赤字に膨れ上がる。軍人の退職金や年金を支援するためのファンドは、2023年に497億レアルの赤字を計上している。
 ピーター・G・ピーターソン財団が実施した国際比較によると、米国では軍人の給与や年金は総軍事予算の22%だけだ。ところがブラジルの場合、総軍事費の78%が使われ、24年はその支出だけで774億レアルにもなる。
 だが、軍人年金の変更に関しては、これまでも連邦議会で議案として上がったことがあるが、これまでは変更の内容のいかんに関わらず、いずれも強い反対を受けており、交渉難航が予想される。
 連邦政府の支出削減案の発表の遅れは市場の懸念をより大きなものとさせている。本来なら10月下旬に発表されるはずだったが、ハダジ財相が削減額も削減策発表の時期も未定と語ったことでドル高が起こった。ハダジ氏はその後、4~9日に予定されていた欧州外遊を取りやめて支出削減交渉に専念しているが、「金曜(8日)までには発表」とされた削減案も結局は発表されずに終わり、市場の不満を高めている。(3)
 また、中銀でも、5~6日に行われた通貨政策委員会(Copom)で財政削減案の遅れが話題となっていた。この会議では経済基本金利が(Selic)が0・5%ポイント引き上げられて11・25%となったが、高金利サイクル長期化はこの際も懸念されており、支出削減案の一刻も早い提出が求められている。(4)


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