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ブラジル・中国首脳会談=周主席「両国関係は過去最良」=37の二国間協定に署名

2024年11月22日

記者会見で握手を交わす周主席とルーラ大統領(© Ricardo Stuckert/PR)
記者会見で握手を交わす周主席とルーラ大統領(© Ricardo Stuckert/PR)

 【既報関連】G20サミット終了後の二国間会合の一つとして、ルーラ大統領は20日、ブラジリアで中国の習近平国家主席との拡大首脳会談を行い、37項目の合意を締結したと20日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じた。
 首脳会談が大統領官邸で行われた後、周主席は「私はルーラ大統領と心から友好的で実りある会談を行った。我々は過去50年間の中国とブラジルの関係を振り返った。我々は今の関係が史上最良であることに同意した。この関係は戦略的かつ長期的なものである」と会談の成果を振り返った。
 G20サミットに続く首脳会合は昨年4月のルーラ氏の中国訪問に始まった一連の会合の一つで、両国の修好50周年を記念するものでもある。首脳会談は両国の閣僚らも参加した拡大会合の形で行われ、農業、科学技術、通信、持続可能な開発、観光、保健衛生、スポーツ、教育、文化と多分野で合意が成立した。
 ルーラ大統領は会合後の会見で、両国は距離が離れているが、共通の関心と似通ったビジョンを持ち、戦略的な友好関係を築いてきたと強調。中国はブラジルにとり、世界最大の貿易相手国で、2023年の貿易額は1570億ドル(ブラジル側から見ると輸出1040億ドルと輸入530億ドル)で、中国との間の貿易黒字510億ドルはブラジルの貿易黒字の52%を占めている。この額は米国と欧州連合への輸出額の和を上回っている。
 また、今回の合意は今後50年間の協力関係の構築が前提で、ブラジル新産業計画(NIB)や経済活性化計画(PAC)、南米統合ルート計画、生態変革計画と一帯一路構想の相乗効果を具体化するため、金融協力その他の持続可能な開発に関するタスクフォースを確立し、2カ月以内に優先プロジェクトを提示する予定だとも述べた。中国はブラジルへの主要投資国で、インフラ関係のプロジェクトの入札にも参加し、水力発電所や鉄道の建設計画などで提携。ブラジルの雇用や収入、持続可能性向上に貢献している。
 一方、ブラジルは2017年以降、中国への最大の食料供給国となっており、中国の食の安全を保障している。今回はブラジル産農産物の市場四つが設けられ、生ブドウやゴマ、ソルガムに、魚粉、魚油その他の飼料用魚製品の販売の道も開かれた。カルロス・ファヴァロ農相は、商業的な潜在力は年4・5億ドルだが、中国はブラジル産農産物を70億ドル近く輸入しており、この数字は5億ドルを超える可能性があるという。
 周主席も、経済、貿易、金融、科学技術、インフラ、環境保護などの優先分野での協力を深め、エネルギー転換、デジタル経済、人工知能、グリーンマインニングなどの新興分野での協力を強化すると述べた。
 なお、両首脳は、グローバル・サウス諸国共通の利益を守り、より公正で公平な国際秩序促進という歴史的責任を積極的に負っていく意向も表明。グルーバルガバナンスにおける発展途上国代表を増やすことや、飢餓、貧困と闘い、国連やG20、BRICSなどの多国間フォーラムで協力し続けることも共通認識だと強調すると共に、飢餓に苦しむ人々の尊厳を取り戻し、気候危機に対する解決策を構築するためにも、紛争終結と平和が必要とも語った。


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