連邦政府=黒人奴隷に人種差別を謝罪=負の遺産失くす基金創設へ

国家総弁護庁(AGU)と人種平等省が21日、アフリカ系子孫の教育や市民権のために闘う非政府団体EducafroとAGUの間の合意を祝う式典を開き、奴隷制やその影響に対し、国の名前で正式に謝罪したと同日付政府公式サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じた。
EducafroとAGUの間の合意は、同団体がサンパウロ州連邦裁判所に提起した公的民事訴訟(ACP)に伴うもので、歴史的な人種差別によって引き起こされた損害について、国からの正式な謝罪と人種差別との闘いに特化した基金の創設を求める声に国が応じることになった。
奴隷制によって黒人に与えた被害を正式に認め、国が謝罪するのは初めてだ。ジョルジェ・メシアスAGU長官は式典で、「この合意は黒人人口の絶え間ない権利侵害に対する認識と賠償に向けた一歩を象徴しており、謝罪承認は反人種差別政策に取り組む政府のコミットメントだ」とし、「国は黒人の奴隷化とその影響について公式に謝罪する。人種差別と闘い、黒人開放を促進する努力が必要であることを認識し、そのための公共政策策定に従来以上に重点を置いて取り組んでいくことを約束する」という内容の謝罪文を読み上げた。
また、不平等や人種差別と闘うためには黒人を尊厳のある状態に置くための予算の再構築が必要とし、「予算を再構築し、保健や教育、住宅、基本的な衛生設備、気候変動に対する保護などの面で黒人に尊厳を与える必要がある。そうしなければ憲法は遵守できない」と語った。
アニエレ・フランコ人種平等相は、ブラジルの歴史の中で黒人に影響を与え、現在も続いている人種差別の歴史や、2018年3月に殺害された妹のマリエレ・フランコ・リオ市議のことなどを回想し、「人種差別によって引き起こされたトラウマを経験した人だけが、私達に残る痛みの深さを知っている」と語った。
20日付アジェンシア・ブラジル(7)によると、同相は「黒人の意識高揚の日」である20日も、この日が制定されるまでの闘いとそれらによって成し遂げられてきたことを回想しつつ、「これからもなすべきことが沢山ある」と語ったばかりだ。
マカエ・エヴァリスト人権市民相も、自由や平等、権利の達成を求める黒人民衆の闘いを回想。土地や労働、まともな賃金に対する黒人の権利は認められておらず、克服する必要があるとし、「人々を貧困と人種差別から救い出すには感性と闘いが必要。私達は具体的な行動を通してこれを実現していく」「私達は奴隷制度廃止論者としての闘争の中にあり、自由のために闘い、闘い続けている。私達は毎日、非常に重要な一歩を踏み出している。300年以上に及ぶ奴隷制の記憶は5月13日(イザベル王女が奴隷解放令に署名した〝奴隷制廃止の日〟)で終わる訳ではない。5月14日は国内の黒人人口の完全な放棄から始まるのだから」と語った。