長野県人会創立65周年=関副知事、山岸県議会議長ら慶祝来伯=総勢150人で節目祝う

ブラジル長野県人会(杉本テレザみどり会長)は17日午前10時から、サンパウロ市サウーデ区のブラジル鳥取県人会会館で「在ブラジル長野県人会創立65周年記念式典」及び祝賀会を開催した。関昇一郎長野県副知事、山岸喜昭県議会議長、羽田健一郎長野県町村会会長ら8人の慶祝訪伯団をはじめ関係者約150人が出席し、県人会の節目を祝った。
大島紘邦副会長が開会の辞を述べ、先没者の霊に黙祷、日伯両国歌、長野県歌『信濃の国』を斉唱した。
来賓紹介後、挨拶に立った杉本会長は、県人会活動の野沢菜漬けなどを紹介し、「これからも日本文化を深く理解する立派な日系人の育成に努めて参ります」と語った。

関副知事、山岸議長、羽田町村会会長がそれぞれ来賓挨拶に立ち、県人先達の苦労を偲ぶとともに、県系人が行ってきた日本やブラジル、日系社会、母県長野への貢献に敬意を表し、今後の更なる交流促進と、県人会の発展を祈念した。

在サンパウロ総領事館の清水享総領事はお祝いの言葉を述べるとともに、1908年6月18日に笠戸丸でサントス港に到着した長野県人最初の移住者、矢崎節夫氏や、今年入植100周年を迎えるアリアンサ移住地など長野県人のブラジルにおける歴史について触れ、来年の日伯外交関係樹立130周年などで日伯間の人的交流がより一層活発になることを期待した。

独立行政法人国際協力機構(JICA)ブラジル事務所の川村怜子次長は、長野県駒ケ根市にある青年海外協力隊訓練所で世界中へ派遣されるJICAボランティアが訓練を受けていることや、サンパウロ州ミランドポリス市第一アリアンサにJICAボランティアの赤羽晋治さんが日本語教育隊員として派遣されていることなど、JICAと長野県の協力関係について語り、「これからも、皆様の活動を全力でサポートし続けます」と述べた。

ブラジル日本都道府県人会連合会の谷口ジョゼ眞一郎会長はお祝いを述べるとともに、大坂の陣で活躍した武将の真田幸村や、ヤクルト本社を創業した代田稔など長野県出身の偉人、国宝5城の一つ松本城や、景勝地の上高地など長野県の持つ魅力的な郷土文化を紹介した。
記念品交換の後、研修生代表の上野フェルナンダ由佳さんが留学生・研修生代表として謝辞を述べた。長野県人会の篠原オラシオ裕之相談役が閉会の辞を述べた。

記念写真を撮り、日本舞踊『長唄・元禄花見踊り』を披露。ケーキカットに続いて乾杯し、祝賀昼食会に移った。
午後2時から記念アトラクションとして、筝曲『三段の調』、『ふるさと』、県人会婦人部によるコーラス『もみじ』『おぼろ月夜』、民謡『天竜下れば』、団舞『松本ぼんぼん』が披露された。
祝辞=県人会の取り組みに協力続ける=長野県副知事 関昇一郎

皆様こんにちは。長野県副知事の関昇一郎でございます。私自身、15年前の50周年の記念式典に、当時の村井知事と共に参加させていただきました。初めての方もいらっしゃいますが、久しぶりにお会いする方もいらして、大変嬉しく、感慨深く思っております。
本来であれば、阿部守一知事が出席し、皆様にお祝いの言葉を申し上げるべきところですが、残念ながら公務により訪問が叶いませんので、知事に代わり、私からご挨拶を申し上げます。本日ここに、在ブラジル長野県人会創立65周年の記念式典が、多くの方々のご臨席のもと盛大に開催されますことに、心からお祝い申し上げます。
長野県人会の皆様は、創立以来、長野県人としての誇りとふるさとを愛する気持ちを胸に、活発に活動を続けてこられ、ブラジル連邦共和国の一員として、ブラジル社会の発展と日伯両国の友好親善に貢献されました。
皆様の多年にわたるご努力とご労苦に対し、深く敬意を表するとともに、ブラジルの地に眠る先人の方々のご冥福をお祈りします。
また、現在に至るまで、ブラジル国政府や国民の皆様、日本国外務省、JICAなど関係する皆様には、長野県人会をはじめ日系人社会に対し温かいご支援をいただいておりますことに、心から感謝申し上げます。
少し話が変わりますが、BRICsの一角を占め、経済成長を遂げているブラジルは、今年、G20の議長国となり、まさに明日からはリオデジャネイロにおいて各国のリーダーが集う首脳会合が開催されるなど、世界的な影響力を強めています。
一方、長野県そして日本全国で、急速に人口減少が進んでおり、今後国内市場が縮小していくことから、世界の成長を積極的に取り込むことが必要となっています。
今回、長野県としてブラジルを訪問するのは5年ぶりです。その間、新型コロナウイルス(Covid―19)の流行の厳しい時期を乗り越えて、こうして県人会の皆様と交流を続けることができました。
昨年からは「中南米県人会との青年交流事業」も再開し、上野フェルナンダ由佳さんを研修生としてお迎えすることができました。今後も会員の皆様が長野県を訪れ、ふるさと長野県の文化が若い世代へ受け継がれ、両者の懸け橋となっていくことを願っております。
この先も世界情勢のめまぐるしい変化が予想されますが、末永く、県人会と長野県が強い絆で繋がれるよう、県人会の取組に協力するとともに、交流を続けてまいる所存です。
滞在中は、役員の皆様と交流させていただくほか、20日にはアリアンサを訪問し、入植100周年記念祭に出席する予定です。
日程の都合により、今回は他の支部への訪問は叶いませんが、この場をお借りしまして、各支部の皆様のご活躍を祈念申し上げます。
結びに、在ブラジル長野県人会のますますのご発展と、本日ご出席の皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、お祝いのあいさつといたします。本日はおめでとうございます。