SUS=票買収で予約順を繰上げ=市職員が選挙絡みで不正

連邦警察(PF)は21日、リオ州バイシャーダ・フルミネンセ地区にあるケイマードス市の統一医療保健システム(SUS)の診察予約枠を不正に操作し、2024年の選挙における票と引き換えにこれらの枠を提供していたとされる、市保健局の職員を含む犯罪組織に対する取り締まり作戦を開始した。PFは同市および首都ブラジリアの全9カ所を対象に家宅捜査・押収令状を執行し、診察予約の記録や携帯電話、ノートパソコンなどを押収したと、同日付ヴァロール紙など(1)(2)(3)が報じた。
同作戦は、数百件に及ぶ医療予約が不正に行われていたことを指摘する、ケイマードス市議会からの通報を受けて実施された。
捜査対象となったのはケイマードス市保健局の現・元職員らで、中には一人で1千件以上の予約を入れていた容疑者もいた。犯行グループは、SUSの診察予約待機リストを管理する国家規制システム(SISREG)へのアクセス権限を悪用し、自分や親戚の名前で各種の診察や検査の予約枠を不正な形で確保。その後、政治的支援や選挙での票を見返りとして、特定の人物にその枠を割り当て、医療を必要としている他の市民に不利益を与えていた。
PFによれば、SUSの診察枠を「独占」していた特定の政治グループには、保健局を退職後もアクセス権限を維持していた元職員や、元職員のアクセス権限維持を認めていた元局長などが含まれている。容疑者らが抑えていた予約枠には高度な医療技術が必要な診察や検査も含まれていた。一例は21~23年に自分の名前で340件以上の予約を入れ、解任後もアクセス権限を保っていた34歳男性で、少なくとも24年1月まで犯罪行為を継続。小児科や婦人科の診察、小児アレルギー検査、乳房生検なども予約していたという。
裁判所は、容疑者の収入に見合わず、不正に得たと思しき額の資産の差押えと財産の凍結を命令。さらに犯罪計画に関与した何人かの公職追放も指示した。容疑者の身元は全面公開されていないが、彼らは犯罪組織の一員として、情報システムへの虚偽データの入力や選挙汚職などの罪で起訴される可能性がある。もし有罪判決を受けた場合、刑期は最長で24年に達する可能性があるという。