JICA=4人の女性起業家が訪日研修へ=支援事業「J―Wings」で

JICAブラジル事務所(宮崎明博所長)は昨年12月11日、女性起業家支援プログラム「J―Wings」の一環として、訪日研修権を懸けた参加企業10社によるピッチイベントをサンパウロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウス」にて行った。参加企業は審査員に向けて「ピッチ」と呼ばれる事業紹介を行い、4社に訪日研修権が贈られた。
J―Wingsは昨年から開始された取り組み。参加対象となるのは、SDGsに関する新規ビジネスを行う女性起業家がいる新興企業で、140社以上の応募の中から選抜された10社がJICAとB Venture Capital社(中山充社長)による3カ月間のメンタリングプログラムを受け、今回発表を行った。
参加企業が行った「ピッチ」と呼ばれる事業紹介方法は、新興企業の集まる米国シリコンバレーで使われるビジネス用語「エレベーターピッチ」に由来し、同用語はエレベーターに乗ってから降りるまでの短時間で事業提案を行う様子からきている。
参加企業は教育機会の創出や、デジタルヘルスの増進などSDGsに関連する事業案の紹介を行った。審査の結果、スターダスト・ゾーン社(STARDUST ZONE)のサラ・フェルナンデスさん、エスパッソ・アブラ社(ESPAÇO ABRA)のマリア・エステルさん、オンコAI社(ONCO AI)のマリアーナ・ズリアーニさんが入賞し、訪日研修権が贈られた。
入賞したスターダスト・ゾーン社は障害者向けに、自身の障害についての知識やコミュニティの存在を知る機会、テクノロジー学習の機会、就労機会の支援事業を行っている。発表を行ったサラさんは「テクノロジー先進国の日本で学べることが楽しみです。日本の障害者コミュニティを学んで事業に活かしたいです」と期待を膨らませた。
また、天然由来の原料を使ったウェルネスケア製品や基礎化粧品をEコマースで展開する0101ナチュラル・ケア社(0101 Natural Care)のメリッサ・タミナトさんが、審査員から「日本研修は彼女の事業に大いにプラスになるはず」と判断され、特別に訪日研修権を獲得した。
審査を行った日本から参加のJICA民間連携事業部国際協力専門員・谷田部雅史さんは「皆さん自身の事業の価値をしっかりと見出し、レベルの高いピッチをされていて驚きました」と語った。