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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=116

2025年1月24日

 「そう言ってくれるのは嬉しいが、諸君の将来を考えるとやはり一度退去してもらいたい。子供たちに食べさせるものもない諸君の姿を見るに忍びないのだ」
 訴えるように彼は皆の顔を見渡した。
 「平野さん」
 と山下が言った。
 「あなたが此処にいてくれる限り、私達は出ません。初めは金を儲けるつもりで此処の土地を買いました。が、今はそうではないのです。仲間が死に自分たちの汗が浸み込んだ土地に花を咲かせたい一心です。移民にだって移民の意地がある。私は残ります。平野さん、いつものように、オイ山下此処にいろ、と怒鳴って下さい」
 山下が言い終ると、皆は一斉に同意して運平...

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