site.title

小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=117

2025年1月25日

 「上塚さんの友人の菊地恵次郎という男が日本から三万五千円持って来てくれた。上塚さんは土地の入金に三十コント費ってあとの二十コントで間崎に二十八家族集めさせて米を植えたのだ」
 と鈴木は言った。
 そこまで聞けば後は分る。棉だけはどうやら助かったが、稲が旱魃に遇ったらひとたまりもない。
 「どんな高利でもいいから金を借りて来てくれ、と上塚さんに頼まれた」
 「そうか」
 「あんたはどこへ行くのだ?」
 「サンパウロで綿を先売りするつもりだ。どうだ、ついでだから一緒に行ってくれんか」
 「行ってもいいが……」
 「頭が利かなくなって、細かい計算ができな...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...