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ブラジル日本語センター=「学習者中心の教育」理解深める=汎米日本語教師合同研修会

2025年2月1日

最終発表をする研修生
最終発表をする研修生

 中南米の日本語教師が集まり、共に学ぶ「第39回汎米日本語教師合同研修会」が18日に終了した。日本語教育を取り巻く環境や学習者の学ぶ目的が多様化する中、「学習者中心」とは何か?を主軸に講義が展開され、8カ国から参加した16人が日本語教師の意義や自らの役割を深く考えた。
 ブラジル日本語センター(矢野崇敬理事長)が主催し、毎年1月に開催。今年は13日間の日程で、同センターを主な会場として行われた。
 研修序盤ではサンパウロ市内の日本移民史料館や移民博物館を訪れ、中南米の移民について理解を深めると共に、2、3人に分かれて互いの国や自らのルーツについてインタビューを行った。研修生は日系、非日系、日本出身、日本に行ったことがない-など一人ひとりが異なる背景を持ち、互いを知ることで自らも見つめ直し、多民族・多文化国家の中南米での日本語教育や教師の理想を考えた。
 他の研修生と自分を照らし合わせ、自らを深掘りしていく中で、中盤では「学習者中心の教育」を考えた。ここでは「責任と選択権」「教師の声がけ」「モチベーション」など7項目を重視し、自らの学校や授業の中で実践できていることはあるかを分析。これを踏まえて、学習者中心を意識した理想の授業を考え、グループで話し合った。
 中間報告ではグループごとに「理想の授業」を発表し、発表を聴く側との質問や意見を交わし、従来行っていた自らの授業の長短を省みた。研修生はこれまでの体験や話し合いを経て、再び国の歴史や移民、自らのルーツ、日本語教師や教育の意義についての考えを書き、最終発表の準備をスタート。最後の2日間は、理想の授業や研修での学びをテーマに一人ひとり発表し、「学習者による会話集会」「アニメを見て話し合う」など学校や生徒のニーズ、課題に合った授業実践を提案した。一人ひとりの発表が終わるごとに大きな拍手で健闘を称え合った。

 2週間、じっくりと自らと向き合い、他の研修生との深い話し合いを通じて日本語教育や教師について考えを深めた研修生たち。最終日は涙ながらに感謝を伝え合い、「自分自身を知らなければ社会を知ることも、人々を理解することもできない」「新しい考え方や意見を交換すると自分も成長する」などと研修を振り返った。
 オブレア・カズミさん(ペルー、鶴日本語学校)は「百人一首大会を開催したい。学習者中心の授業を意識して、日本語は楽しい、もっと勉強したいと思ってもらえるようなクラス作りを頑張る」と意欲を見せた。


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