授業力向上目指し8校20人が参加=聖南西教師研修会

サンパウロ州南西地区の日本教師が研さんを深める「聖南西教師研修会」が1月20〜22日、サンミゲル・アルカンジョ市のコロニア・ピニャールで行われた。8校から20人が参加し、ワークショップや活動発表を通じて授業力向上を目指すと共に意欲を高めた。
聖南西教育研究会(渡辺久洋会長)が主催し、例年この時期に開催。今年はJICA海外協力隊員が増えたことで、参加者は昨年より3人多い20人の大台に乗った。また、初めての参加となる教師もいた。
初日は「基礎勉強会」として若手教師11人を対象とした講座が開かれ、渡辺会長が「職業としての日本語教師」をテーマに講演。最初に参加者は3、4人のグループに分かれて「日本語教師を選んだ理由」「どんな学校にしたいか」などのトピックを話し合い、「小さい頃日本に住んでいたことがあり、日本語を忘れたくなかった」「日本語を話せたから呼ばれた」「活動を通じて日本の伝統を伝えたい」などざっくばらんに自らの原点と思いを伝え合った。渡辺会長は「自分の理想像を考えるのは大事」とし、「教師の仕事は生徒の可能性を広げること。教科書を使うのも大事だが、教科書『も』使って教える」と伝え、実践する糸電話遊びやわらじ作りを通じた授業を紹介した。
これを踏まえ、2日目は理想の先生や授業のために必要なことを個人やグループで話し合った。また、国際交流基金の斎藤誠日本語上級専門家による「Can-do」(外国語でのコミュニケーション活動、能力の指標)を使って、子どもを対象にした大きい目標から具体的な取り組み案について考えた。ブラジル日本語センターに派遣されているJICA海外協力隊員芦田園美さんによる先生紹介動画作りも行われ、学校のSNS広報につながる動画の撮り方や構成の仕方などを手ほどきした。
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最終日は同協力隊の任期が1月末で終了となるピエダーデ日本文化学校の金城愛樹さんが2年間を振り返り、教師や人材確保、授業改善、イベント参加による広報、教師研修会への参加といった多岐に渡る分野での活動を伝えると共に、感謝を伝えた。
参加した長谷川美雪さん(ソロカバ市ウセンス日本文化センター)は「参加するのは9回目。Can-doなどを学べ、学校を見直すためにすごくためになったし、先生一人ひとりの実践も照らし合わせて今後に繋げたい。先生方と楽しく話せてガス抜きにもなった」と笑顔を見せた。