site.title

ルーラ=実質的な選挙準備開始か=「再出馬しても私が勝つ」=ボルソナロ挑発、痛烈批判

2025年2月7日

5日のルーラ大統領(Ricardo Stuckert/PR)
5日のルーラ大統領(Ricardo Stuckert/PR)

 ルーラ大統領は5日、ボルソナロ前大統領の被選挙権を回復させるべく、野党が三権中枢施設襲撃事件関係者への恩赦を求めていることを批判し、ボルソナロ氏に対し、「また選挙に出てきても私に負けるだけだ」と挑発した。同日付CNNブラジル(1)が報じている。

 今回のルーラ大統領の発言は5日にミナス・ジェライス州のラジオ局に出演した際に上がったものだ。連邦議会で恩赦法の審議が予想されることに関して尋ねられたことに関して訊ねられた大統領は語気を強めてその動きを批判した。
 「あの事件に関する裁判はまだ終わっていないし、判決が出ていない者もいるのに、もう、恩赦を出せといっている。ということは、彼らは被告らが無罪だとは信じていない(有罪だと思っている)ということではないか。少なくとも彼らは、裁判所が決定を下すまでは被告達は無実だと信じるべきで、恩赦を求めるのはそれからだろう」と皮肉った。
 ボルソナロ前大統領をはじめとした政治家や軍人が対象となっているのは大統領選後に動き始めたクーデター疑惑での捜査の方で、こちらはまだ連邦警察が書類送検を行っただけで、起訴されるかどうかも決まっていない。検察庁は今月中に起訴するか否かの判断を行う可能性があるが、仮に起訴されて被告となれば、(来年の統一選挙への影響を回避するため)最高裁での審理は年内にも行われると予想されている。
 ボルソナロ氏はこれに加え、中東諸国からのプレゼントを転売しようとした件やワクチン接種記録改ざんの件でも起訴されている。さらに、2022年の大統領選での選挙法違反2件で有罪となったことで、8年間の被選挙権喪失処分となっている。
 ルーラ氏はさらに、「クーデターを起こそうとした人、大統領や副大統領当選者、選挙高裁長官を殺そうとした人たちに恩赦などいらない」との言葉で、自身が軍の一部高官から暗殺計画の標的となっていたことに触れ、クーデター計画を批判した。クーデター計画や暗殺計画では、ボルソナロ氏や、22年大統領選でボルソナロ氏の副候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏も関与を疑われている。
 また、ボルソナロ氏に対しても、「司法が許すのなら出馬しても良いが、また私に負けるだけだ」と言い切った。
 ルーラ氏は昨年まで、ボルソナロ氏や野党に対してこのような直接的な物言いを避けていたため、今回の発言は注目されている。方針の変更は、新たに広報役となったシドネイ・パルメイラ大統領府社会通信局(SECOM)長官からの、「大統領自身の言葉で真実を伝える」という方針に従ったものとされている。
 G1サイトの分析では、今回のボルソナロ氏への攻撃は、「大統領選に向けた準備が始まっている」ことや「ボルソナロ派支持者の態度を軟化させることを諦めた」ことを示すと解釈している。(2)
 一方、下院では野党側が恩赦法案の準備を進めている。ウゴ・モッタ下院議長は「法案を議案に乗せるかどうかはまだわからない」としながらも「話し合う必要がある」との姿勢を示している。
 なお、恩赦法審議が昨年来、足踏み状態にあることから、野党はフィッシャ・リンパ法の被選挙権停止期間を8年から2年に短縮し、ボルソナロ氏の出馬を可能にするような法改正に向けても動いている。モッタ議長は「個人的な見解だが、選挙法違反で8年間も選挙に出られないのは長すぎると思う」「議題に関する議論では、議会が主権を持っている」と語り、審議の可能性を示唆している。(3)


ハダジ財相が優先議題説明=新下院議長に理解求める前の記事 ハダジ財相が優先議題説明=新下院議長に理解求める【6日の市況】Ibovespaは0.55%上昇して126,224.74ポイント=ドルは0.52%下落してR$ 5.764に次の記事【6日の市況】Ibovespaは0.55%上昇して126,224.74ポイント=ドルは0.52%下落してR$ 5.764に
Loading...