初寒波が南部から急上昇=サンパウロ大都市圏でも広域で水害

3月31日午後、サンパウロ大都市圏が強風を伴う豪雨に見舞われ、サンパウロ市東部やABC地区など、広範囲で洪水、停電が起き、公共交通機関マヒなどの被害も出た。(1)(2)(3)(4)(5)(6)
3月31日午後の豪雨の被害が顕著だったのはサントアンドレ、サンベルナルド・ド・カンポ、サンカエタノなどのABC地区で、わずか3時間で131ミリの雨を記録したマウアー市では、14時30分頃、家屋の倒壊も起きた。
短時間に集中的な雨を見たのはサントアンドレやサンベルナルドでも同様で、各々が84ミリと52ミリの雨を記録。強い雨でタンドゥアテイ、グアララ、コルンベーといった川が一斉に氾濫したため、サントアンドレ市では14時頃、エスタードス大通りが大河と化し、濁流に流されたり水没したりする車が出た。洪水はサンカエタノ市でも起きたが、いずれの市でも死者や不明者は出ていない。
また、サンパウロ州都電CPTM10号線は線路の冠水などで、14時50分頃にウチンガ~マウアー駅間の運行を停止。プレフェイト・セルソ・ダニエル駅はプラットフォームも水面下に沈み、駅構内に水が溢れた。足を奪われた市民は代行バスを利用するなどして移動したが、混乱は長引き、電車の運行正常化は19時30分頃だった。
サンパウロ市でも、イピランガ地区とイタケーラ地区に洪水警報が出た他、中央部、南部、東部を中心に被害が出たが、死者は出ていない。聖市地下鉄はタマンドゥアテイ駅が人で溢れるのを防ぐため、2号線の運行速度を落とし、停車時間を長くする措置を講じた。
なお、激しい雨や強風で倒木も起き、一時は約10万戸が停電と報じられた。
なお、豪雨の被害は南東部だけではなく、リオ・グランデ・ド・スル州でも3月31日午後から、寒冷前線通過に伴う強い風と雨が発生。ポルト・アレグレなどは強い風と雨に見舞われ、気温も急激に低下した。(7)(8)(9)
ポルト・アレグレを例にとると、同市は厚い雲に覆われ、強風と強い雨を見たため、いくつもの道路が冠水。倒木や屋根が飛ばされるなどの被害も出ている。
国立気象観測所(Inmet)は1日、同州北部、南東部、山間部、中央部では強い風を伴う雨(20~30ミリ/日、所によっては50ミリ)が降り、雹も降り得るとの予想を出した。
また、1日はサンタナ・ド・リヴラメントで最低気温13度、バジェーでも14度など、気温が低下。最高気温が25度を超すことは難しいと見られている。
クリマテンポも、同州では2日も大気の状態が不安定で、強い雨や風に見舞われる所が出るとの予報を出している。
Inmetは、今年最初の寒波は4月前半にブラジルに到着と予想。南部とマット・グロッソ州南部および南東部では4日夜から気温が低下し、10度を割る所も出るという。気温低下が顕著なのは南部で、リオ・グランデ・ド・スル州やサンタカタリーナ州では5~6日に霜が降る可能性がある。また、強風のため、サンタカタリーナ州やパラナ州では4~6日は体感温度が更に低くなるという。
リオ・グランデ・ド・スル州では2~3日にかけて100ミリに及ぶ雨と時速100キロに及ぶ風が予測され、雹も降ると見られている。