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ブラジル マンダカルー物語=黒木千阿子=(19)

2025年7月30日

マンダカルーは、枯れ果てた大地の中で、真っ先に白い花を咲かせ、道行く人に春の訪れを告げます。春の訪れ、それはもう少しの辛抱で雨季がやってくる。

さあ、みんな種播きの準備をしなさいという知らせなのです。

やがて、首を長くして待っていた雨が降り始め、一雨ごと山の緑が蘇ってきます。

ところが、気の早いマンダカルーは、花を散らして、体中にびっしりと赤い実をつけて秋の装いをこらすのです。いち早く、独りで秋を迎えるマンダカルーは、なぜ独りでそんなに先をいそぐのでしょう。

なぜ、他の草花と一緒に春を楽しみ、夏を謳歌しないのでしょうと、私は長いこと不思議に思っていました。

けれど...

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