サンパウロ市=28日から無料観光3ルート開始=日曜バス無料サービスの延長で
サンパウロ市は、日曜日に公共バス利用がタダになる「Domingão Tarifa Zero(ドミンガン・タリファ・ゼロ)」を実施しており、その100回目の実施を記念すると同時に、市民や観光客が公園や博物館、その他の主要スポットをより自由に訪れることができるよう、三つの無料特別ルートのバス路線「Paulistar(パウリスター)」を新たに導入すると発表した。
9月28日(日)から運行が開始されるPaulistarは、電気バスを用いた専用ルートで、約20分間隔で市内各所を巡る。運行時間は午前8時から午後7時までで、もちろん無料で利用できる。バスにはエアコン、USB充電ポート、Wi-Fiが備えられ、快適な移動が可能となっている。
この新路線の導入は、2023年12月に開始されたDomingão Tarifa Zeroの成功に基づくもので、市内での休日の移動の約70%がレジャー目的であることや、公園や文化施設への訪問が特に多いことがSPTrans(サンパウロ公共交通局)の調査で明らかになっている。また、2025年3月の調査では、利用者の97%がこのプログラムを高く評価している。
それぞれのPaulistar路線は特色あるコースを設定している。
【Paulistar 1 】文化回遊コース(Circuito Cultura)
Term. Parque D. Pedro IIを起点にParque da Luzまでを結ぶ。ルート上では、ポルトガル語博物館、ルス駅、マーケット「Mercadão」、パテオ・ド・コレジオ、シアター・ムニシパル、ピナコテカ、レプブリカ広場、リベルダーデ地区やビシガ地区など、サンパウロの歴史的・文化的名所を巡る。
【Paulistar 2 】公園回遊コース(Circuito Parques)
独立公園(Museu do Ipiranga所在)からイビラプエラ公園までを結ぶルート。途中、アクリマソン公園も経由し、市内の主要な緑地や文化施設をつなぐ。ルート上には、サンパウロ大学の動物学博物館やSESC Vila Marianaなども含まれる。
【Paulistar 3 】レジャー回遊コース(Circuito Lazer)
パカエンブスタジアム発着で、パライーゾやイビラプエラ公園を結ぶルート。アヴェニーダ・パウリスタ周辺のMASP、美術館「Casa das Rosas」、ジャパンハウスなどに近い停留所も設置され、スポーツ、文化、レジャーの主要スポットを効率的に巡ることができる。
リカルド・ヌネス市長は、Paulistar導入の発表にあたり、「本日は、Domingão Tarifa Zeroの100回目を祝う重要な機会であり、279万人以上の人々がこのプログラムを利用し、97・5%の評価を得ています。今回、市内の文化、スポーツ、レジャー分野で三つの新しい電気バス路線を導入したことを発表でき、住民が快適に利用できる環境を整えました」と述べた。
また、市民や観光客にとってDomingão Tarifa Zeroがいかに有益かを強調し、「このプログラムは公共政策として確実に成果を示し、市民は文化施設や公園、スポーツセンターを自由に利用できるようになっています。日曜には礼拝や親族訪問も無料で行え、観光客も増加する市内でこの恩恵を受けられます」と述べた。
セウソ・カルデイラ市交通局長は、「Domingão Tarifa Zeroは今後も継続される重要な取り組みであり、Paulistarの新路線導入は、住民がサンパウロの魅力を最大限に楽しむ機会をさらに拡充するものです」と説明。SPTransのビクトル・ウゴ・ボルジェス社長も、「Domingão Tarifa Zeroをさらに改善するために、Paulistar路線を導入しました」と語った。
これにより、市内では日曜に14台の追加バスが運行され、既存のDomingão Tarifa Zero路線と合わせて、より多くの市民や観光客が市内各地を快適に巡ることが可能となる。