商議所=板垣駐パ大使が企業進出推奨=低税率、安定経済、犯罪少強調
ブラジル日本商工会議所(羽地貞彦会頭)の9月定例懇親昼食会が19日(金)昼、サンパウロ市内ホテルで開催され、約130人が出席した。駐パラグアイ日本国特命全権大使の板垣克巳氏の講演では、5月にペニャ大統領が訪日した結果、戦略的パートナー関係に格上げ、外務省同士の政策協議の定期化、日パ投資協定の交渉が原則合意達成などの成果があったと報告した。
村田俊典事務局長の司会のもと、山本直子副会頭は冒頭スピーチで、味の素ブラジルの責任者として4月に赴任した旨を自己紹介した上で、10月に離任する清水享在サンパウロ総領事に「大変残念だが、有能な方だけに我々で独り占めする分にはいかない」と送別の言葉を述べた。
続いて清水総領事から離任の挨拶があり、「23カ月といささか短い滞在勤務になった。過去15回、昼食会に参加させてもらったが、南半球でここほど大変な経験をお持ちの方がたくさん出席されるのはここだけだと思う」と語り、「先人のおかげで良好な日伯関係がある。先人のことを思えば今後も見えてくる。アルバレス・マッシャード、コロニア平野など赴いて先人のことを感じることが大切。日本語継承は難しくても、日本の心の継承はできる。心が継承されればビジネスチャンスにも繋がる。またどこかでお世話になると思う」と語って深々と頭を下げると、サンパウロ州議会のアンドレ・ブエノ議員から感謝の記念プレートが授与された。
交代挨拶ではDaiichi Jitsugyo do Brasil社の代表者が樋口喜英氏から徳村哲民氏に、Kanematsu America do Sul社では田尻勇一氏から上田洋右氏に代わり、それぞれ挨拶した。
帰任挨拶ではCredit Saison社の伊藤健一氏が「世界的に見て活発な金融環境のブラジルに身をおけ、刺激になった。今月末にシンガポールへ転勤する」と語った。新入会員挨拶ではTrade Gestão e Serviço社のフランシスコ・ヴィアナ氏が同旅行社の活動紹介をした。
最後に板垣駐パラグアイ大使は講演の中で、国家概要として日本より少し広い国土に人口700万人、4%前後で経済成長を続け、インフレは5%以下で安定、通貨は1944年以降デノミを実施しておらず安定。中道右派のコロラド党が堅実な経済運営をして公的債務の割合が低く、犯罪もストライキ、賃上げ交渉も少ないと紹介。
さらに「法人所得税比較ではパラグアイが10%、アルゼンチン35%、ウルグアイ25%、ブラジル34%と低い税率が魅力の一つ。投資のための資本材輸入関税、国内外から投資のために取得した資本材の付加価値税、資本金や金利コミッションの送金・支払いに関わる税、配当金の支払い及び利益の海外送金に関わる税が全て0%。電気料金も中南米で一番低い国の一つ。両洋横断道路の国内工事の進捗状況は78%であと2年で完成するかも。開通すれば南米のロジが変わる」などと企業進出の利点を列挙した。
すでにフジクラ、住友電装、矢崎総業がマキラ制度を活用して進出したと紹介し、「パラグアイ官庁や業界団体への橋渡しをさせてもらう」と連絡先・大使館(電話595・21・604・616、japon.economica@as.mofa.go.jp)を伝えて講演を終えた。