COP30=日本人女性農家が環境宣言文発表=Yae鳥肌もの『Asa Branca』披露
今回初来伯した日本人女性農家は、歌手・加藤登紀子さんの次女で、シンガーソングライター活動の傍ら、千葉県「鴨川自然王国」の里山で米や大豆等の穀物生産・加工を行い「半農半歌手」と紹介されるYaeさん。熊本県のO2Farm(オーツーファーム)で米作と赤牛を飼育する大津愛梨さん。非営利株式会社「蓮葉果紅」代表の成瀬久美さんの3人。
同宣言は、前述の3氏が発起人となった「エコフレンドリーファーマー宣言委員会」が主催し、蓮葉果紅社、Freewill社、大学共同利用機関法人・総合地球環境学研究所、全国農業協同組合連合会(JA全農)が協賛した民間主導のセミナーの中で発表。日本の農林水産省や一般企業が後押しする形で行われた。
COP30では、各国政府や国連関係機関が集まる「ブルーゾーン」、一般企業やNGO(非政府組織)等が集まる「グリーンゾーン」以外に、今回初めて農業・食糧問題に関する「アグリゾーン」も新設された。3氏は「政府や国連機関に任せるのではなく、農業者として自分たちも温暖化防止対策に取り組んでいこう」という主旨の今回の宣言文発表について、農地の規模や国籍に関わらず、それぞれの農業者自身が出来る環境対策の流れを作ることを目的にしたという。
3氏はベレン市でのCOP30参加以外に、トメアス総合農業協同組合(CAMTA)も訪問し、同地で実践されているアグロ・フォレストリー(森林農法)も見学。大津さんは「作物を一年中収穫でき、(ジュースなど)加工まで行っているのはすごく画期的で、完璧な組織の一つであることを実感しました」と語る。
Yaeさんは発表の最後に、当地名曲の『Asa Branca』を自身の歌声で披露。大津さんのNote(https://note.com/eri_o2farm/n/n986c4f77e2d6)によれば、《これが鳥肌ものだった!》と描写し、《会場にいるブラジル人たちが皆んな歌い出した! 特にこの地域では誰もが知っている名曲らしく、掃除のおばちゃんや、なんと同時通訳の人まで歌い出したほどで、なんというか、音楽の力を見せつけられた感じでした》と綴った。
Yaeさんは「ガザ地区でたくさんの死者が出るなど、戦争というクレイジーな世界がある中で、私たちは食糧生産を通じて最低限食べられるという幸せがあることに感謝したい。日々の活動に音楽がプラスされることで、心にも種を蒔き、歌を通じて心にも栄養を与えてくれる」と述べ、自身の「半農半歌手」活動の思いを表した。
3氏のうち、Yaeさんと大津さんはベレンから直接帰国するという当初の予定を変更してサンパウロ市も訪問。特にYaeさんは、2000年前後に母親の加藤登紀子さんがサンパウロ市で公演を行ったことへの思いもあり、当時の公演のプロデュースを行ったアートプロデューサーで写真家の楠野裕司さんに会うことも来聖の目的だったという。
両氏は帰国前の11月16日にサンパウロ市でブラジル熊本県文化交流協会での歓迎会に出席したほか、ブラジル日本移民史料館、イビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑なども見学したといい、初のブラジル訪問で充実した日々を送ったようだ。








