site.title

林禎二大使4年間の成果語る=送別会にマナウスからも参集

2025年12月5日

画像スライダー (4枚)

日系5団体の共催による林禎二駐ブラジル日本国大使の送別会が、11月27日夜にブラジル日本文化福祉協会の貴賓室で開かれた。会には日系団体の役員ら約50人が出席。アマゾナス州西部からも西部アマゾン日伯協会の服部元会長が駆けつけるなど、大使の幅広い人望を反映する場となった。

林大使は本紙の取材に対し、4年間の任期で「最も印象に残ったこと」として、佳子さまの訪伯を挙げた。11日間で8都市を巡る日程について、「どこでも日系社会の皆さんに温かく迎えていただき、佳子さまが丁寧に人々に接される姿に、私自身も学ぶところが多かった。皇室を通じて、日本への敬意や敬慕の思いを強く感じた」と振り返った。

日系社会に関する実績については、日系人口の再推計を挙げた。従来180万人とされていた数字を、最新の国勢調査や現実に即した計算方法に基づき、270万人へと改定。その結果、岸田首相来伯時には日本のメディアで大きく報じられ、「世界最大のブラジル日系社会の存在感が日本で広く認知されたことが嬉しかった」と強調した。

外交面では「この4年間で日本の総理大臣が2回来伯し、ブラジル大統領も2回訪日した。過去40年間の平均では、首脳訪問は10年に1度程度だった」と説明。今年3月の日伯首脳会談では、今後4年ごとに両国の首脳が訪問する枠組みが決まり、「再来年には日本から総理が、その2年後にはブラジル大統領が訪日する予定。首脳が動けば、さまざまな分野も動く。そうした外交筋の緊密化に立ち会えたことは大きな成果だ」と語った。

送別会では、石川レナト文協名誉会長が「お別れとなるのは残念だが、より重要な任務に就かれると聞いている。次の舞台での成功を祈りたい」と述べた。続いて西尾ロベルト文協会長は、「ブラジル生まれの私たち以上に全伯の隅々までご存じだ。マナウスやベロオリゾンテからも代表が駆けつけたことが、その証拠。大使であると同時に、アミーゴとして地域社会に欠かせない存在だった」と評価した。

さらに、サンパウロ日伯援護協会の税田パウロ会長、ブラジル日本都道府県人会連合会の谷口ジョゼ会長、そして日本商工会議所の柳沢勇人副会頭も挨拶、「メルコスルと日本の経済連携協定(EPA)の早期締結に向けた働きかけを進めていただき、日系企業としても深く感謝している」と流暢なポルトガル語で謝意を表した。林大使は3日に帰国の途についた。



サンパウロ総領事館、上川副領事着任=味の素から出向前の記事 サンパウロ総領事館、上川副領事着任=味の素から出向
Loading...