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ノーベル平和賞=マチャド娘が代理受賞=マドゥロ辞任求める異例の式典

2025年12月11日

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10日、ノルウェーのオスロで開催されたノーベル平和賞授賞式は、受賞者であるベネズエラ野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏(58歳)が不在のまま実施され、娘アナ・コリーナ・ソサ・マチャド氏が代理で受賞した。式典では、マドゥロ大統領に対する批判や辞任要求が公に表明され、アナ氏は母が執筆したスピーチを読み上げ、「国家によるテロ行為」とされる人権侵害を告発した。同日付オ・グローボ紙など(1)(2)が報じた。

授賞式は、マチャド氏不在により空席が目立つ中で行われ、ノーベル委員会が主導する形でマドゥロ政権への批判が前面に出る異例の式典となった。アナ氏は受賞演説で、ベネズエラで行われているとされる政治的弾圧や拷問、野党に対する迫害行為を「国家テロ」と表現して糾弾。

同国の民主主義制度の脆弱性に触れ、「かつて軍事クーデターを指導した人物(ウゴ・チャベス氏)が大統領に選ばれ、カリスマ性が法の支配に代わると考えられた」との指摘がなされた。国連が記録した「人道に対する罪」を例に挙げ、野党活動家や一般市民が制度的に弾圧されている現状を告発した上で、「民主主義を望むなら自由のために戦う覚悟が必要だ」と訴えた。

式典冒頭では、ノルウェー・ノーベル委員会のヨルゲン・バトネ・フリードネス委員長がマドゥロ政権を直接批判。フリードネス氏は拷問や弾圧、野党の沈黙化を「権威主義的かつ残虐な国家の行為」と断じ、ベネズエラが深刻な人道・経済危機に直面している現状を強調した。政権上層部が政治権力や武力、法的免責を盾に富を独占していると指摘し、暴力の源泉は民主活動家ではなく権力を手放さない体制側にあると述べた。

フリードネス氏はマドゥロ氏に向けて直接的に呼びかけ、「選挙結果を受け入れ、職務を明け渡し、平和的な民主移行の基盤を築け」と強く求め、会場からは拍手が送られた。

式典にはアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領、エクアドルのダニエル・ノボア大統領、パラグアイのサンティアゴ・ペーニャ大統領、パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領が出席。昨年の大統領選でマチャド氏に代わり野党候補として出馬し、ベネズエラ政府による迫害から逃れるためスペインに亡命中のエドムンド・ゴンザレス・ウルティア氏も出席し、委員会からベネズエラの「選出大統領」として象徴的に扱われた。

授賞式の直前まで、マチャド氏の出席は不透明だった。ノーベル研究所のクリスチャン・ベルグ・ハルプヴィケン所長は当初、授賞式でマチャド氏が直接受賞すると発表したが、直後に撤回。前回の選挙でマドゥロ氏が公式結果を公表せず勝利を宣言したことから、マチャド氏は旅行禁止令により国外に出ることができない状況にあり、約1年以上も公に姿を見せていない。ベネズエラ政府からの脅威が続いており、行方不明状態にあるとも報じられていた。

同研究所は授賞式直前に、マチャド氏がオスロに向かっているが到着は授賞式後になると発表。声明で、「極めて危険な状況下での移動」と説明し、「無事であることを確認できた」と述べた。マチャド氏自身も音声録音を通じて、出席できない事情を説明し、受賞の意義を「ベネズエラ国民にとって非常に重要」と語った。トランプ米大統領を賞賛し、彼もまたこの栄誉に値する人物であると述べたという。

娘アナ氏は現在ニューヨークに住んでおり、ハーバード大学でMBAを取得後、データ処理会社に勤務。その傍ら、コリーナ氏の代理として国際的な活動を行ってきた。彼女はベネズエラでの政治的迫害の影響を受けて家族が分散して生活していると明かし、16カ月間隠れて生活をしていたコリーナ氏とは、オスロで再会する予定であることを語った。(3)

ノーベル委員会は受賞理由として「ベネズエラ国民の民主的権利のための絶え間ない活動と、独裁から民主主義への公正かつ平和的な移行のための闘争」を挙げた。当日の動画はユーチューブ(www.youtube.com/watch?v=lBueLHd2Ojw)で視聴可能。


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