マイゾウ・メーノス(まあーまあー)の世界ブラジル(45)=サンパウロ 梅津久
第37話―ブラジルの噂話(その2)
9.犯罪率が異常に高い、それも自動小銃を使う凶悪犯
泥棒が多いので窓には柵を付ける。家の塀にも、ガラスの破片を一緒に固め、塀から侵入できないようにしている所もある。夜間で人気の無い場所の赤信号は停止しない、襲われる危険性があるから。銀行やATMでの現金の取り扱いは要注意、周りをよく見て不信そうな人がいたらパスしよう。
マナウスが中南米からの麻薬の輸送の大事なルートとなってきており、ブラジル3大麻薬組織が暗躍。毎日のように報復での拳銃殺人が発生している。彼らブラジルで暗躍する麻薬組織は軍隊が使用する大口径の自動小銃や爆薬を所持しており、警察よりはるかに破壊力のある火器を使っている。これらは南米パラグアイからの密輸が多いが、近年のニュースでは米国から航空便で数十丁の自動小銃の密輸が空港で摘発されいる。どんなことがあっても麻薬には手を出さないようにしなくてはならない。
10.ニューヨーク経由でサンパウロまでJAL便が飛んでいる、JALの最長路線
JAL(日本航空)は経営悪化での合理化のあおりを受けて、2010年9月30日にてブラジル便から撤退した。2011年7月現在日本からブラジルに行くには乗り継ぎ便しかない。当時はブラジルからはVARIG航空とJALが相互乗り入れで飛んでいた。そのVARIGも2005年6月には会社更生法の申し立てを行い倒産となり、また32年間就航したJALも2010年9月で撤退となった。
サンパウロから約110㎞離れたカンピーナス国際空港に停留しているJALの航空機の尾翼に塗られたロゴの赤の鶴のマークを見ると日本が恋しくなったものである。懐かしい。
またアメリカ経由での訪日時に、アメリカの空港でJALカウンターの赤い鶴マークを見ると、気分がほぐれ、もう日本に来たような錯覚に襲われる。
11.国旗に描かれている星空は、ブラジル共和制が樹立した日のリオデジャネイロの星空と言われている
ブラジル国旗は青、黄、緑、白の4色からなっており、青はブラジルの空、黄は金・鉱物資源、緑は森林、白は平和を象徴し、青の丸の中にある星はブラジル26州と連邦直轄区を表している。
白帯(黄道)に書かれている言葉は“ORDEM E PROGRESSO(秩序と進歩)”であり、国家の標語であるがブラジルの現実にはまだまだ程遠い言葉である。
コーポレートカラー(国を象徴する色)は緑と黄色(VERDE AMARELA ヴェルディ・アマレーラ)の組み合わせであり、W杯サッカーのユニフォームの色となっている。
12.昔は、帝国だった
ポルトガル王室がナポレオンに追い出されて植民地ブラジルに亡命し、リオ・デ・ジャネイロがリスボアに代わって首都となり急速に発展する。王室が帰国するとき王子(ペドロ一世)を残して行ったために、ペドロ一世は1822年に「ブラジル皇帝」を名乗って独立してしまった、という異色の歴史を持つ。
ペドロ一世も1831年にペドロ二世を後継者に指名してポルトガルに退去してしまい、その後共和制への道へと進む。
13.サトウキビの一大生産国
ブラジルのサトウキビの生産高は世界一位で、全世界の約40%が生産されており、砂糖として製糖されるほか、エタノールとしても精製されている。
1980年代になるとサトウキビから精製したエタノールを車の燃料に使うブラジルに、各国から注目が集まるようになった。
1990年代にはガソリン消費量を削減するためにアルコール車が生産されるようになり、2000年代になるとフレックス車が生産されるようになる。2020年代に入ると自家用車のほとんどがフレックス車に移行し、ガソリンとアルコールの国際市場価格に自由に対応できるようになっていった。
ブラジルではガソリンといってもエタノールの混合率が18~27・5パーセントと規定されていて、現在は27・5パーセントとなっている。
14.英雄の遺体は消防車で運ばれる
ブラジルでは英雄と言われる人の遺体は消防車に乗せられて市中を通り、国民、市民と別れを惜しむという風習がある。
私も、1994年に業務でマナウスからサンパウロのグアルーリョス市に出張した折に、早朝にホテルから会社に向かう時に、サンパウロとリオデジャネイロを結ぶ高速道路(ドゥトラ街道)をグアルーリョス国際空港からサンパウロ市に向けて走る車列に出会った。
その車列の中にアイルトン・セナの棺を載せた消防車があった。道路の両側には大勢の市民が立ち止まって手や国旗を振って別れを惜しんでおり、英雄を突然失った国民の悲しさを目のあたりにした。








