Vagabundo
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=61
切り出した灌木に曲がったものがあると、それを火にあぶって矯正したり、鉋で適当な太さに削ったりする。鍬...07/10/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=60
ときに、先日の新聞だが、ブラジル東北地方一帯に跋扈していたランピオン一味が全滅したと報ぜられている。...04/10/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=59
浩二は小首をかしげて姉から離れた。半ズボンの少年が、ここ二、三年の間に姉と対等に話せるようになった。...03/10/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=58
「俺には家庭はないんだ。いまの所は仮の住家でしかない。新しい人生を出発するためには君の助力が欲しいん...30/09/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=57
入水後、それほど時間が経っていなかったので、母は俺たち素人の人工呼吸によって甦ったんだ。その後、家族...27/09/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=56
「どっちがいけないか、最後まで聞いてくれよ。あの農場に落ち着いて間もなく、家族の夕食の米が不足したの...26/09/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=55
隆夫は立ち止った。突然、律子の肩へ双手を廻した。力強く抱き寄せると、眼前に律子の蒼白い顔があった。そ...23/09/2023
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=54
八代は短歌の他に小説にも関心をもっていて、自分たちが国を出る年(一九三二年)将来を嘱望されていた梶井...20/09/2023