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アマゾン=油田開発巡り与党に亀裂=大物議員脱党、ルーラも疑問

2023年5月23日

ペトロブラスが探査許可を要請したが断られた地域(Divulgação/Ibama)
ペトロブラスが探査許可を要請したが断られた地域(Divulgação/Ibama)

 国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)がアマパー州沖175キロの油田探査許可を拒んだ件で、ルーラ大統領が「探査で環境が損なわれるのは難しいだろう」と発言したと22日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
 17日付G1サイトなど(4)(5)によると、Ibamaは17日、ペトロブラス(PB)によるフォス・ド・アマゾナス盆地の油田探査用採掘許可を拒否した。
 22日付G1サイト(6)によると、同盆地はアマゾン川と大西洋の合流地域にあり、世界一の規模のマングローブの生息地だ。また、専門家も調査できていないサンゴ礁など、生物の多様性保持の意味でも世界的な注目を集めている。
 他方、PBは同地域に140億バレルの石油が埋蔵されている可能性ありとし、探査許可を求めていた。PBは、アマパー州の北側に位置するスリナム共和国などの国内総生産が油田開発によって急成長していることなどを挙げ、探査は急務としていた。
 PBは環境保全のための措置は全て講じたというが、Ibamaは事故が起きた場合の動物相に対する保証が提示されていないとして許可を出すことを拒否。同日は、マリーナ・シルヴァ環境相がアレッシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相との綱引きに勝ったという報道も行われた。
 PBは控訴する姿勢を見せ、探査拒否再考要請も出したが、20日付エスタード紙など(7)(8)は、PBが「絶好の機会が失われた」とし、赤道付近に配置した掘削装置の撤去手続きを始めたと報じている。
 他方、21日付ポデール360サイト(9)によると、Ibamaは20日、17日以降、決定を覆すよう圧力をかけられてきたと発言。「この4年間、政治的干渉に苦しんできた」「Ibamaは国家機関で決定は技術的なもの。政治的圧力に基づいて決定を下すことはない」とも明言した。
 ただ、油田開発への期待は大きく、15日付エスタード紙(10)は、エルデル・バルバリョ・パラー州知事が環境相と鉱山動力相の間は大統領が取り持つだろうとの見解を表明と報じていた。また、18日付オ・グローボなど(11)(12)によると、マリーナ氏と同じレデ党に属する左派大物上議、連邦議会政府リーダーのランドルフ・ロドリゲス氏は18日、彼女とは折り合えないとして党脱退を発表した。
 ルーラ氏も日本からの帰国直前、「石油探査で環境破壊が起きるなら探査は行うべきではないが、探査地点はアマゾン川河口から530キロ離れており、探査で環境が損なわれるのは難しいだろう」と、環境相の意向に反する発言を行った。


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