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連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第14話

2022年7月28日

 私のすぐ下の弟、三美は私と三つ違いで、貧乏ながらも学業に頑張っていて、私が二十才の時は一七才の高校二年であった。その下の四男の巳知治は私より七つ下で、十三才の中学一年生であった。巳知治は子供の頃から夏の日焼けのせいもあり、色が黒く、皆から祖父の菊次郎に似ているとよく言われたものだ。裸で釣竿を手に持って、近くの堀り川に行って、よくハゼを釣って下げて帰って来ていたのを思い出す。
 末っ子の妹、七海は終戦の年の昭和二十年二月の生まれで、戦中なのか、女の子に七つの海で活躍する事を期待してか、七海と名付けた。だから、七海は私より十一才の年下になり、当時九才であった。
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