連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第16話
でも、私はこのチャンスを絶対逃したくなかった。現状で日本で頑張っても家の犠牲となって、あまり変化のない生活が続くだろう。母の苦労は十分解る。でも、今なら知足兄達も近くにいるし、手のかかる小さい子供はもういない。私がいなくてもあとは何とかやって行けると思う。この私のわがままを許して呉れ。と母の説得に努めた。私の気持ちが絶対変わらないとわかると、悲しい顔をしながらも承知してくれ、その後は私の旅立ちへ協力的になってくれた。
私は母を説得する段階で、母の気持ちが賛成に向いてくれる様に、熊本の叔父、伝松に手紙を書いて、私の気持ちを伝えた。折り返しに返事が届いた。「母さん...
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