連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第52話
また反対に春から夏の陽の長い時季は放っておけば、花芽がつかずにどんどん伸びてしまうので、ある一定の高さになったらシェードと言って、黒いプラスチックのフィルムで菊畑を覆って中を暗くして、人為的に日照時間を短くして花芽分化を起こさせるのである。これが電照菊栽培の原理と作業要領である。
電照菊は苗作りに三十日、定植して三〇日間電照してそのあと六○~七〇日で収穫、出荷となり、年間同じ畑に三回から三・五回転することになる。一度失敗しても四ヶ月待てば次の作に期待できる。また、資金の回転も早く、毎週収入があるので資金繰りは楽である。
その頃すでに、電照菊の需要はもう飽和...
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