《ブラジル》GDP=8月は前月比で0・8%減=FGVのモニター観測で判明
ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)が19日、8月の国内総生産(GDP)は前月比で0・8%減少したと発表したと同日付現地サイトが報じた。
Ibreが行うGDPのモニター観測によると、8月のGDPの伸びは、今年5月に記録した0・09%以来の低い数値となった。それでも、8月のGDPは昨年同月比で3・7%成長し、6~8月の3カ月間でも昨年同期比で3・3%成長したが、直近12カ月間の成長率は2・4%にとどまった。
FGVによると、8月の経済活動下は工業生産とサービスが後退した事が主な原因だという。工業生産とサービスの後退は、需要を示す家計消費が前月比で0・5%減少した事とも関係がある。
家計消費が減少したのは、インフレが高止まりして購買力が低下した状態が続いている事や、負債を抱えている家庭が増えている事などが原因だ。給与や収入が増えない中でのインフレ高進は、購入できる品物や量の減少を余儀なくし、負債を抱える家庭や債務不履行の増加を招く。
全国財・サービス・観光商業連合(CNC)によると、負債を抱えている家庭は増え続けており、9月には大なり小なりの負債を抱えている家庭が全世帯の79・3%に達し、新記録を更新した。負債の返済が遅れている家庭も30%に達し、新記録を更新。これらの数字は需要低迷が続く事を示している。
また、需要が低下すれば、生産活動やサービスも縮小し、経済活動全体の縮小を招く。FGVによると、12カ月間のGDPの伸びが2・4%増というのは今年6月に記録した1・9%以来の低い数字だ。これが経済活動が減速化し始めた証拠であるなら、今年のGDPの成長率は昨年の4・6%の半分以下の2%程度にとどまる可能性が大だという。
希望となるのは総固定資本形成(投資)が0・7%、輸出が0・6%増えた事だが、輸入は前月比で0・3%減少した。